ニュース

災害時の避難場所や行動をLINEで知らせる「AI防災支援システム」

LINE公式アカウント「AI 防災支援システム」

AI防災協議会は、LINE公式アカウントを通じ、災害時にユーザー毎にカスタマイズされた避難情報を提供する仕組みを開発した。まずは神奈川県で実証実験が実施され、自治体職員が活用した後、2021年中には住民にも公開される予定。

この仕組みは、防災チャットボットの「SOCDA」(ソクダ、対話型災害情報流通基盤)に追加された避難支援機能により実現される。この避難支援機能を全国共通基盤として活用するため、LINE公式アカウント「AI 防災支援システム」が開設された。LINEのアカウントを通じ、住民と行政機関の間で、AIにより整理された情報収集と情報提供の双方が利用可能になる。

具体的には、ユーザーはLINE公式アカウント「AI 防災支援システム」に対して被害状況をテキストや位置情報、写真で投稿可能。投稿された災害情報はAIで整理され、災害発生地点がマッピングされた地図をLINE上で確認できる。

情報投稿の例

SOCDAの避難支援機能は、ユーザーの現在地、避難先、避難行動の危険度などをAIが総合的に評価し、ユーザー毎にカスタマイズされた避難を提案するというもの。住民は公式アカウントに対して、現在地や生活場所、災害時の予定避難先、避難の自由度、避難予定の警戒レベルなどを設定することで、自分の状況にあわせた避難情報を受け取れる。

チャットボットによる避難支援のための会話フロー
現在地と周辺の避難所はハザードマップに重ねて表示される

災害対応にあたる行政機関は、どのような属性の住民がどの避難先に逃げようとしているのか、状況にあわせてリアルタイムに把握でき、まだ避難していない危険エリアに対して避難を呼びかけたり、混雑が予想される避難所周辺に臨時の避難所を開設したりといった即時対応に活用できる。