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Fitbit、スマートウォッチでコロナ感染を発症前に発見できる可能性
2020年11月26日 15:26
フィットビットは、同社の取り組みなどを紹介するイベント「Fitbit Wellness Day Tokyo 2020 Webinar」で、スマートウォッチを使用して新型コロナウイルスへの感染を早期発見する取り組みについて基調講演を行なった。
フィットビット共働創業者&CTOのエリック・フリードマン氏によると、新型コロナウイルスの課題の1つは、無症状感染者が気づかずに移動してしまうこと。なるべく症状が出る前に早期発見をする必要がある。しかし、PCR検査は高価なため、何百万人もの人数を毎日検査することはできない点を問題とした。
そこで、同社のスマートウォッチとスマホを健康センサーとして使い、呼吸・心拍などの生体シグナルを日常的に計測することで、健康状態を予測する研究を実施。睡眠時の呼吸や起きる直前の心拍など、さまざまなシグナルを計測し、そのパターンを機械学習で読み取ることで新型コロナウイルス感染を早期発見するアルゴリズムを開発しているという。
研究には10万人のフィットビットユーザーが参加。そのうち900名が新型コロナウイルスへの感染が確認された。
研究によると、新型コロナウイルスに感染し、症状が悪化する1週間前から生体シグナルにその兆候が確認できるという。心拍変動は1日目に最も多くみられ、心拍数は感染後、平均2~7日は正常値に戻らない。呼吸回数は症状が現れてから2日目が最も多く、その後やや呼吸回数が多い状態が3週間程度続くという。
感染者の主な症状としては、倦怠感が72%、頭痛が65%、体の痛みが65%、味覚の異常が60%、咳が59%。発熱については55%と他の症状に比べて確率が低かった。
こうしたことから、症状が悪化し始める1週間前から体調不良を予測することで、自主的に外出をとりやめて治療を受けたり、家族への感染も未然に防ぐ可能性を高めることができる。
今後は、アルゴリズムの開発を急ぎ、市場に投入できるよう準備を進める。また、生体シグナルの日常的な計測と機械学習の組み合わせにより、将来的には糖尿病やうつ病などの慢性疾患の早期発見にもつなげたいとした。