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神奈川県が「情報銀行」活用。個人データ提供の県民にポイント付与

神奈川県は、「情報銀行」認定を受けているサービスを提供するフェリカポケットマーケティングと連携協定を締結。官民データや情報銀行の利活用を通し、県民ニーズに対応したサービスの実現、社会課題の解決を目指す。

情報銀行認定とは、日本IT団体連盟が策定した、プライバシー保護対策や情報セキュリティ対策等に関する認定基準に適合しているサービスを示すもの。認定を受けたサービスや事業者は、消費者個人がその個人情報を信頼して託せるサービスや事業者であることのアピールが可能となる。

都道府県と情報銀行の認定を受けた事業者が連携した本格的な事業展開は神奈川県が初。

フェリカポケットマーケティングが提供するのは、地域のコミュニケーションプラットフォーム。基本機能として、属性登録・情報信託機能、ポイント管理機能、コミュニケーション機能の3つを備える。

データ提供者となる県民は、アプリで個人の属性データを登録し、本人が承諾したデータ(情報)を提供する(属性登録・情報信託機能)。提供するデータは、薬情報や健康情報等の健康記録を管理する「マイME-BYO(みびょう)カルテ」利用データ、SDGs活動データ、神奈川県が取り組む「みんなあつまれ」等のイベントへの参加データなど。

データを提供した県民には、寄付や民間ポイント等へ交換できるポイントを付与する(ポイント管理機能)。

情報利用者となる民間事業者、加盟店、自治体は、情報銀行に対して情報照会を申し込み、情報銀行からの承諾の上、照会するとともに情報銀行へ対価を提供。また、データ提供者に対して、属性に応じたクーポンの提供や商品・サービス紹介を、情報銀行を通じて提供する(コミュニケーション機能)。自治体においては照会した情報を、充実した行政サービスの提供のために活用する。

なお情報照会において、個人を特定する照会はできない。

神奈川県における主な連携事項は、「マイME-BYOカルテとの連携による健康情報の利活用」、「SDGsに関する活動の促進」、「官民データの利活用促進」、「共生社会の実現に向けた取り組みの推進」の4項目。

マイME-BYOカルテによる主体的な未病改善の取り組みを推進するため、県民がマイME-BYOカルテを通じて提供したデータに基づいたインセンティブ(ポイント、クーポン等)を付与するとともに、一人一人に適した未病改善に役立つサービスの提供を行なう。

SDGsについては、県民がSDGsを「自分事」ととらえ、「行動」につなげていくため、アプリを通じて、「気づき」と「インセンティブ」を提供する仕組みを構築する。

官民データの利活用については、客観的な分析・検証により、県の取り組みの実効性を高め、地域課題の解決を実現する県民サービスを充実させるために促進する。

共生社会の実現に向けた取り組みについては、県民のイベントへの参加を促進するとともに、インセンティブを活用した寄附の仕組みづくりを行なう。

協定の有効期限は2021年3月31日まで。以降は、解約の申し出がない限り更新される。