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商品情報を現場で覚える画像認識型無人レジ。東芝テックとNTT Com

実験イメージ

東芝テックとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、NTTグループのAI技術corevoの1つである「アングルフリー物体検索技術」を活用した、画像認識型無人レジシステムの運用自動化に向けた実証実験を実施する。

実施場所は、東芝テック内の「オーバルコート大崎マークイースト事業所内売店」。対象は東芝テックグループ従業員。

レジ業務を省人化する無人レジシステムの課題として、商品の自動認識を画像認識AIで行なうにあたり、商品を様々な条件で大量に撮影し、それらの画像をAIに学習させる必要がある点を挙げる。

実験の目的は、アングルフリー物体検索技術によってこの稼働を削減すること。消費者が無人レジシステムを利用する過程で、AIの学習に必要な商品画像を自動的に登録し、効率的に学習する仕組みについて検証する。

アングルフリー物体検索技術は、NTTが研究開発。立体物を、アングル(撮影角度)によらず高精度に認識できる技術で、認識対象が折れ曲がっていたり、歪んでいても認識できるという。実証実験では、少数の画像だけで学習を行なう。

変形対応アングルフリー物体検索技術の特長

実験では、無人レジの運用開始後に販売された新商品などのAIが認識できない商品について、来店客が無人レジを利用する過程を活用し、認識に必要な画像を自動的に取得して学習できるかを検証。商品入れ替えの際などにあらかじめ行なっておく画像認識の作業を、どの程度削減できるかを計る。

実験の手順は、来店客がカメラ付きの専用台に複数の商品を並べ、無人レジは画像認識により一括で商品を特定。画像情報がなく商品が認識できなかった場合は、来店客が手動でバーコードをスキャン。無人レジはこれにより画像情報と商品情報を紐づける。次に同じ商品が購入されたときには、画像による商品の認識が可能とする。

また、画像・商品マスターから特定した商品のJANコードを抽出し、二次元コード化。スマートフォンで二次元コードを読み取り、一括でレジ登録を行なう。これにより、従来のセルフレジの運用である、商品一つ一つのバーコードを探し、スキャンするといった操作をなくす。

会計は、あらかじめ紐づけられた従業員番号に用いて、給与引き去り決済を行なう。

両社の役割は、東芝テックが新形態POSシステムの受容性・業務効率性・事業性の検証、検証環境の構築、NTTコミュニケーションズが画像認識機能、追加登録機能の提供、サービスモデル検討、ネットワーク環境の提供。

今後は、システムの商品化検討を行なうとともに、実験で蓄積される分析結果、知見を、流通小売業のその他の業務へ応用することについて検討を進める。