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山手線にAIシステム・ロボットが。利用者もAIの育ての親に

JR東日本は、「案内AIをみんなで育てようプロジェクト」として、山手線内の複数のターミナル駅、およびエキナカやホテル等の商業施設に、案内ロボット、デジタルサイネージ、案内チャットボットの実証実験を行なう。期間は12月7日から2019年3月15日までで、基本稼働時間は11時から16時。12月7日のみ14時から。

実証実験の実施箇所と参加企業

設置されるのは、東京駅、浜松町駅、品川駅、新宿駅、池袋駅、上野駅、および池袋のホテルメトロポリタンで、計24カ所。

実証実験は、利用者の質問に対してAIが回答するというもので、AIシステムを活用した駅構内や駅周辺の案内、お土産案内等を行なう。

実証実験のポイントは、案内システムの構築。国内外の利用者の質問に対して回答できなかった内容については、駅および商業施設のスタッフが回答データをブラッシュアップし、案内AIシステムの回答精度を向上させる取り組みを繰り返し行なっていくという。つまり、JR東日本や実証実験への参加企業に加えて、利用者とともに案内AIシステムを育てていくものとしている。

案内AIシステムの育成イメージ

設置されるのは、チャットボット・エージェント・アプリ、ロボット、デジタルサイネージ、エンジン、スピーカーの5種。

機器については、以下の内容で説明されている。


    チャットボット・エージェントアプリ:専用アプリをダウンロードした利用者のスマートフォン等にて、AIにて案内を行なうもの。
    ロボット:AIにて案内を行なう機器が、人などの形に似せたもの。
    デジタルサイネージ:AIにより、ディスプレイに表示されるキャラクターが利用者への案内を行なう機器。
    エンジン:AIを様々な業務に役立てるシステムのこと。
    スピーカー:AIにより利用者への案内を行なう機器がスピーカーの形で、音声で案内するもの。

設置される駅と案内AIシステムは以下のとおり。

【東京駅】
my daiz(マイデイズ)、AI さくらさん、BotFriends Vision(ボットフレンズビジョン)、Tumbler(タンブラー)

my daizは、NTTドコモによるスマートフォン・タブレット等向けのアプリ。東京駅の施設案内等の問い合わせに、音声案内等で回答する。スマートフォンはドコモ以外でも利用可能。12月14日より開始される。

my daiz

AI さくらさんは、ティファナ・ドットコムによるデジタルサイネージ。話しかけることで、構内の地図、乗り換え情報、観光スポット、おすすめのお土産等を案内してくれる。

AI さくらさん

BotFriends VisionとTumblerは、凸版印刷によるデジタルサイネージ、およびスピーカー。日本語、英語、中国語に対応。翻訳、音声対話、タッチ操作を用いたデジタルサイネージやスマートスピーカー等、利用用途や設置場所に合わせて機種を選定して利用できる。

BotFriends VisionとTumbler

【浜松町駅】
ConciergeU(コンシェルジュ・ユー)、EMIEW3(エミュースリー)、EMIEW-TT(エミューティーティー)

ConciergeUは、コンシェルジュによるチャットボット。127カ国語に対応。AIチャットボットが、手持ちのスマートフォンから、駅と周辺を多言語で案内する。

ConciergeU

EMIEW3とEMIEW-TTは、日立製作所によるロボット+ディスプレイ、およびロボットアプリ。音声認識性能を持つコミュニケーションロボット EMIEW3と、タブレット上のEMIEW3と会話できるアプリ EMIEW-TTが、駅員の代わりに利用者応対するとしている。2019年1月中に開始予定。

EMIEW3とEMIEW-TT

【品川駅】
CounterSmart KIOSK モデル(カウンタースマート キオスク モデル)、AI 対話

CounterSmart KIOSK モデルは、沖電気工業によるデジタルサイネージ。日本語、英語、中国語、韓国語に対応。音声認識とAIを用いて、駅構内や駅周辺、乗り換え検索の案内を行なう。

CounterSmart KIOSK モデル

AI 対話は、サンエイテレビ、エイコム、コンシェルジュによるデジタルサイネージ。チャットボットと顔認証技術により、対話と利用者の表情を元にした情報を案内する。

AI 対話

【新宿駅】
駅案内 AI サイネージ、AI 道案内 Pepper(ペッパー)

駅案内 AI サイネージは、JR東日本情報システムによるデジタルサイネージ。日本語、英語、中国語、韓国語に対応。話しかけることで、駅構内や駅周辺の道案内などを行なう。

駅案内 AI サイネージ

AI 道案内 Pepperは、ソフトバンクと日本アイ・ビー・エムによるエンジン+ロボット+ディスプレイ。日本語、英語に対応。駅構内および駅周辺の目的地までのアクセスなどの質問に対して回答をする。2019年1月中に開始予定。

AI 道案内 Pepper

【池袋駅】
ロボティクスマーケティング for ロボホン powered by Oracle Service Cloud(フォー ロボホン パワード バイ オラクル サービス クラウド)、tripla(トリプラ) チャットボットサービス、AMY Plus(エイミープラス)、minarai for Signage(ミナライ フォー サイネージ)「勝手に案内所!」

ロボティクスマーケティング for ロボホンは、トランスコスモスとシャープによるエンジン+ロボット+ディスプレイ。日本語、英語に対応。エンジンへ投入した質問と回答のデータを軸に、小型ロボット「ロボホン」がガイドをしながら回答する。歌って踊るフレンドリーさとタブレットを活用したコミュニケーションが特徴としている。

ロボホン

tripla チャットボットサービスは、triplaによるチャットボットサービス。日本語、英語、台湾語、中国語、韓国語に対応。QRコードやホームページ上よりチャットを開き、5言語でAIとオペレーターが回答。駅の案内のほか、ホテル、レストラン、レンタカーのおすすめ情報案内や予約もできる。池袋駅とホテルメトロポリタンで連携する。

tripla チャットボットサービス 問合せ対応イメージ

AMY Plusは、パンゴリン・ロボット・ジャパンによるロボット+ディスプレイ。日本語、英語、中国語に対応。話しかけたり、ディスプレイを操作することにより、サイネージで情報を提供する。設置場所はホテルメトロポリタン。

AMY Plus

minarai for Signage「勝手に案内所!」は、Nextremerによるデジタルサイネージ。日本語と英語に対応。受話器型の筐体にシステムを搭載。話しかけることで施設情報や目的地までのアクセス情報等を得られる。2019年1月中に開始予定。

minarai for Signage「勝手に案内所!」 受話器型筐体のイメージ図

【上野駅】
駅案内 AI for PaPeRo i(エーアイ フォー パペロ アイ)、バーチャルアテンダント

駅案内 AI for PaPeRo iは、NECによるロボット+ディスプレイ。ロボット型インターフェース「PaPeRo i」が、駅周辺施設の案内役を務める。

PaPeRo i

バーチャルアテンダントは、モノゴコロによるデジタルサイネージ。日本語と英語に対応。等身大のキャラクターが、会話エンジン+合成音声で利用者を案内する。

バーチャルアテンダント