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スマートリング「Oura Ring 4」ついに日本発売 52800円から
2025年7月17日 09:00
指輪型のウェアラブルデバイスを手がけるOura Health Oy(オーラ・ヘルス・オイ)は17日、第4世代スマートリング「Oura Ring 4」を日本で発売した。指輪型の小型デバイスながら、睡眠や心拍、体表温、ストレスレベルなど50項目以上の生体データを測定・可視化できる。
価格は52,800円からで、各スコアの細かいデータなどの参照には月額999円または年額11,800円のサブスク加入が必要。販路はヨドバシカメラやビックカメラの一部店舗、Amazon、楽天市場などで購入できる。
Oura Ringは、フィンランド発のスタートアップが開発した指輪型のウェアラブルデバイス。装着のしやすさと精度の高さを両立しており、これまでに世界179カ国で展開、累計販売数は250万個を超える。日本国内では約1万8,000人が利用している。
第3世代(Gen 3)はソフトバンクC&Sが取り扱っていたが、Oura Ring 4は24年10月の発表以降、日本の代理店などがなく、海外のOuraのサイトから購入する必要があった。
今回、第4世代モデル(Oura Ring 4)が日本の公式サイトや販売店で購入可能となるほか、渋谷や新宿などの大型屋外広告やテレビCM、インフルエンサーによる体験発信、実機に触れられる店頭ディスプレイの導入など、多面的なマーケティング施策も展開。本格的な日本市場の開拓を目指す。
Oura Ring 4は、従来モデル(Oura Ring 3)より27%薄型化し、内外装ともにチタン素材を採用。重量はサイズによって異なるが、3.3~5.2gほどで紙1枚分と同じ重さだという。耐久性も向上し、100mの耐水性能を有することで、シャワーや水泳中などでも外す必要がない。さらに、センサーは前世代の8個から18個に増強。
「スマートセンシング」技術により、指の形状や皮膚の色の違いに応じて最適なデータをリアルタイムで取得。SpO2(血中酸素濃度)は120%精度が向上し、夜間のデータ欠損も31%低減した。そのほか心拍数の検出精度は99%、体表温は92%、心拍変動(HRV)は98%、睡眠トラッキングの精度は79%で、睡眠障害の診断に使われる臨床検査「ポリソムノグラフィー(PSG)」の83%に近い水準とされる。PSGは、医療機関で脳波や心拍、呼吸などを同時に測定する標準的な睡眠検査法。
測定したデータは専用アプリで可視化され、主に「睡眠」「コンディション」「アクティビティ」の3指標を軸に日々の健康状態を確認できる。睡眠状態の測定をはじめ、ストレス測定や心臓の健康状態、妊娠中の体調変化を管理する機能なども追加されており、より包括的に健康をサポートする。
睡眠
睡眠スコア(1~100)は、毎晩の睡眠の質を数値で可視化する指標で、レム睡眠やノンレム睡眠といった各ステージごとの時間も詳細に記録される。たとえば「就寝前のカフェイン摂取が睡眠の質に影響していないか」といった要因も分析できる。また、血中酸素濃度(SpO2)の測定により、睡眠中の呼吸の乱れも把握可能となっている。これらの睡眠トラッキング機能は、Apple WatchやFitbitなど他のウェアラブル製品と比較しても高精度とされている。
コンディション
コンディションスコア(0~100)は、1日のなかで「今より大きな挑戦に立ち向かえる状態か」あるいは「回復や休息が必要か」を知らせてくれる。多くのウェアラブルデバイスは昨夜や今日の状態に注目するなか、Oura Ringは長期的なスコアから健康状態を計測する。
ストレス
日中のストレスと回復力を測定できる。心拍変動(HRV)や皮膚温度、心拍数のトレンドをもとに、15分ごとにストレス状態を推定。会議や運動、移動など日常の出来事とストレスレベルの関係を記録できるのが特徴。これにより、自身のストレス傾向や回復パターンを可視化し、無理のないスケジュール設計や休息のタイミング判断に役立てられる。ストレス=悪という見方ではなく、緊張の後にしっかりと回復できているかどうかを重視するアプローチが取れるようになる。
国内ユーザーの約6割は30~40代男性だが、直近6カ月では20代女性のユーザーが43%増と急伸している。グローバルでは女性比率がより高く、特に25歳未満の女性がもっとも急速に増加している層で、前年比2倍の成長を記録しているという。
こうした動向を受け、Oura Ringでは女性向け機能の拡充を進めており、月経周期の予測や妊娠期のインサイト表示にも対応する。Ouraアプリ上では妊娠週数の把握も可能で、独立機関の研究では、Oura Ringのデータが71%の精度で陣痛の開始を予測するのに役立ったという結果も報告されている。薬などに頼らず、非ホルモン的な体調管理を志向する人々のニーズに応える機能として注目される。
なお、日本のユーザーはOuraによるグローバルデータにおいて、平均睡眠時間が6.4時間と短く、ストレススコアは低めという特徴を持つ。フィンランドや米国のユーザーは平均7時間以上の睡眠を確保しており、日本の短さは際立っている。また日本は、ストレス自覚度が高い一方で、指標上のストレススコアは低いという“自覚と測定値のギャップ”も日本特有の傾向として表れている。
本体価格はカラーによって異なり、Silver、Blackが52,800円、Brushed Silver、Stealthが59,800円、Gold、Rose Goldが74,800円。指輪のサイズは4~15サイズでサイジングキットを使って本体の注文前に試すことができる。充電時間は20~80分で最大8日間の連続駆動が可能。サブスクリプションは月額999円、年額11,800円で、未加入時は心拍数や体表温などの一部データのみ確認可能で、スコアの推移や詳細分析機能などは利用できない。
Oura Ringの国内本格展開にあたり、日本語に対応したコールセンター、チャット・メールサポートをスタートする。


















