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「カビキラー」活用術 風呂掃除が楽になる“連射ジェット”も登場

カビ取り剤の代名詞的存在で、多くの人に使われている「カビキラー」。実はラインナップが充実していて、上手に使い分けることで効率的にカビ取りができるのをご存じでしょうか。さらに24年10月に、連射ができるタイプや置くだけの防カビ剤が登場するなど、進化もしています。そこで今回は、ジョンソン マーケティング部の青西梨花さんに、カビキラーがカビを落とすメカニズムや、商品ラインナップ、上手な活用術などをお聞きしました。

「カビキラーは『お風呂場の黒い汚れがどうしても落ちない』という消費者の声にお応えする形で1982年7月発売されました。当初のテレビCMでも『こすらずにカビを落とすことができる』と打ち出していて、発売以来40年以上多くのお客様にご愛用いただいており、現在、カビ取り剤でのシェアナンバーワンのブランドになっております」

ジョンソン マーケティング マーケティングコマーシャリゼーション 主任 青西梨花さん

なぜ、カビキラーはカビを効果的に落とすことができるのか、まずは、そのメカニズムについて教えてもらいましょう。

「水酸化ナトリウム、次亜塩素酸塩、界面活性剤の3つがカビキラーの主成分になります。水酸化ナトリウムでカビの細胞壁を破壊して細胞内に浸透しやすくし、次亜塩素酸塩がカビ細胞の中の組織や酵素を分解するとともに、カビの黒い色素も分解。そして界面活性剤が分解したカビの汚れを浮かせる。このようなメカニズムにより、水で流すだけで、こすらずにカビを落とすことができるのです」

連射で楽に広範囲に吹き付けられる2つのカビキラー

消費者の声の中には「従来のカビキラーを使って浴槽全体のカビを落とそうとすると、何度もスプレーしなければならないから指が疲れる」という声が多くありました。そんな声に応えてくれる商品が「ラクラク連射ジェット」と「電動スプレー」です。

左から従来の「カビキラー」(市場価格:300円前後)、「ラクラク連射ジェット」(同:600円前後)、「電動スプレー」(同:700円前後)

「以前、ジョンソンで『1回の風呂掃除で何回スプレーをしているのか』を調査したところ、平均で280回ほどスプレーしている、という結果が出ました。意外と多いと思われるかもしれませんが、タイル製の壁の場合は目地全体にかけますし、床や天井、イスや洗面器などの小物にも吹きかけるので、浴室内すべてをきれいにしようとするとそのくらいの回数になるんです。カビの除去は頻繁に行なわず、カビが目立ってきたら一気に掃除する、というご家庭が多いので、レバーを引く回数は必然的に多くなるもの。ラクラク連射ジェットや電動スプレーはその負担を軽減するために発売した製品になります。また、従来品ではどうしても液が付着していない隙間ができてしまいますが、連続噴射できれば、そのストレスも解消できます」

「連射ジェット」と「電動スプレー」は何が違うの?

スプレー回数を減らして楽にお掃除ができる「ラクラク連射ジェット」や「電動スプレー」。それぞれの特徴やメリットを聞いてみました。

「24年に発売された『ラクラク連射ジェット』はカビキラー史上初の蓄圧タンク搭載スプレーを採用し、連続噴射を可能にした製品です。従来のカビキラーと比べるとスプレー回数も吹き付ける時間も約半分で済み、泡も途切れることなく塗布できるのが魅力です。従来品からこれに変えるだけで、格段にお風呂掃除が楽になります」

ラクラク連射ジェット
左は従来品。右のラクラク連射ジェットはタンク式スプレーを採用している

「ドラッグストアやスーパーなどで販売されているため入手しやすく、多くのお客様にご好評をいただいています。また、従来のカビキラーとラクラク連射ジェットのつけかえ用は共通なのも便利なところ。ストックしてある通常のつけかえ用もムダなく使えますし、650mlの増量タイプも販売されています」

つけかえ用は従来品、ラクラク連射ジェット、共通で使うことができる
従来品のつけかえ用は400g(市場価格:200円前後)。大掃除でお風呂を丸ごと掃除するなら650gの増量タイプ(同:300円前後)の方が安心かも

一方、大がかりな掃除がしたい方に向けてホームセンターやECサイトで販売しているのが「電動スプレー」。広範囲に使うことを前提につくっているため、400gの通常タイプと比べると、大容量の750g。トリガー部分も大きいのでサイズ全体が一回り大きくなります。

大容量で存在感のある電動スプレー

「トリガー部分にモーターを内蔵しているため、レバーを引いている間はずっと液が出続ける仕組みになっています。モーター駆動のために単三電池2本をセットしなければならず、他の製品と比べるとかなり重くなりますが、大掃除や広範囲のカビを除去したい時に便利です」

側面のロックボタンを上にずらして「出」に合わせれば準備完了
電池交換はタンクの後から。ドライバーでふたを開けて入れ替える

ラクラク連射ジェットも電動スプレーもスプレー回数が少なくて済み、風呂掃除の時間を短縮できるのが魅力です。

「従来品の使用でストレスや疲れを感じている方、より利便性を求めている方は、ぜひ一度、連射ジェットや電動スプレーを使ってみてください」

細かい部分のカビにはしっかり密着するジェルタイプを

お風呂掃除でスプレー式と一緒に使って欲しいのが、「カビキラーPRO最強ジェル」。細かいところにピンポイントで塗ることができ、しっかり密着してしつこいカビを除去します。

「カビキラージェル史上最高濃度の有効塩素を配合した製品です。先が細いペンタイプなので、ピンポイントで狙いたいゴムパッキンやタイルの目地のカビ取りに適しています。広範囲を塗布するスプレーと、細かい場所のカビを除去するジェルタイプ。この2つを使い分ければ、効率的に、的確にカビ掃除ができます」

カビキラーPRO最強ジェル(市場価格:1,100円前後)
先が細く、ペンのように持ってカビをピンポイントで狙える

この製品は浴室だけでなく、冷蔵庫のゴムパッキンや結露する窓枠、洗面台などにも使えるので、ひとつ持っていると便利です。

ペーパータオルはNG?! カビキラーを効果的に使うコツとは?

カビキラーを使う際、しっかり密着させたり、隙間を埋めたりするためにペーパータオルやラップを使っている方もいるのではないでしょうか。しかし、正しい使い方は単独使用です。

「製品裏面の使用上の注意にもあるように、メーカーとしては安全面の理由から、カビキラー単独でのご使用をお願いしています。他の洗浄剤はもちろん、キッチンペーパーやラップに関しても使わずにご使用ください。天井掃除などスプレーすると危ない場所は、棒付きのスポンジに塗布して塗り付けるようにしていただければと思います。なかなか落ちない場合は20~30分置いてから水で流してみてください」

裏面の使用上の注意

SNSでも風呂場のドアパッキンにキッチンペーパーを使って浸透させている様子をよく見かけますが、メーカーとしてはNG行為のようです。

「ゴムパッキンなど流れ落ちるのが気になる場所には、ぜひカビキラーPRO最強ジェルをお使いください。目的に合った製品を上手に使い分ければ、効率良くカビを撃退できます」

浴槽のカビ取りが済んだら、防カビ剤で「きれい」を持続

ラクラク連射ジェットと同じタイミングで発売された「お風呂に置くだけ防カビジェル」。大掃除後の浴室に置いておくだけでカビの発生を防ぐことができるので、きれいな状態を長く保ち、掃除の頻度を減らすためにも使いたい製品です。

「持続の効果は開封してから6週間。コーティング系ではなく、防カビの成分が24時間空気中に補充される仕組みなので長期間の持続が可能です。防カビ剤は体への影響など安全性を気にされる方が多いと思いますが、塩素不使用で、主成分は植物のからし菜から抽出したエッセンシャルオイルを使用しています。背面にステッカーが付いているので壁に貼ることもできますし、フックの穴もあるので、かけて使うこともできます」

(左から)さわやかなフレッシュガーデン、やさしいシトラス、やさしいフローラルの3つの香りから選べる「お風呂に置くだけ防カビジェル」(市場価格:各600円前後)
ジェルが入ったシート状のカートリッジを交換するだけとつけかえも簡単

年末は洗濯槽も大掃除。洗濯槽カビキラーで見えない汚れを撃退

年末には、頻繁にやらない洗濯槽のお掃除もしっかりしておきたいところです。そこで活躍するのが「洗たく槽カビキラー」。塩素系の液体タイプと非塩素系の粉末タイプがありますが、選びのポイントは?

塩素系と非塩素系、2種類から選べる「洗たく槽カビキラー」

「塩素系と非塩素系では洗浄のメカニズムが異なります。塩素系の液体タイプは、洗濯槽カビを溶かして落とすメカニズムなので、洗浄後に洗濯槽の汚れやカスが残らずにすっきりきれいになります。洗濯槽クリーナー市場の中で最も売り上げが高い製品が、この液体タイプです」

売上げナンバーワンは塩素系の液体タイプ(市場価格:300円前後)

「酸素系の粉末タイプは、洗濯層カビを剥がして落とすので、剥がれ落ちた洗濯槽カビを目に見て実感することができます。『見えない部分なので本当に汚れが落ちているのかわからない』という方は、汚れが目に見えることを好んで使われています。塩素のニオイが苦手、という方にも酸素系がおすすめです」

酸素系の粉末タイプ(市場価格:320円前後)を使えば汚れ落ちが見える

洗濯槽から出た汚れは水で流せるので汚れを取る手間はありませんが、洗濯槽内のゴミ取りネットにカスが溜まったりするので、より楽に掃除できるのは液体タイプでしょう。また、両方使うとより効果的、ということはないので、お好きな方を1つ使えば十分です。

洗濯槽の汚れは目に見えないので忘れがちですが、本来はどのくらいの頻度で行なうべきなのでしょうか。

「きれいな状態を保つためにも1~2カ月に1回の掃除を推奨しています。消費者の方に話を聞くと、『毎月1日に洗濯槽掃除をする』と決めていらっしゃる方もいて、賢いな、と思いました。こういった形でルーティン化すれば忘れずに済みそうです」

年末をゆっくり過ごすためにも、時短できるカビキラーの活用を

年末の大掃除の中でもカビ掃除は時間も手間もかかるもの。かなり億劫な掃除の1つですが、「カビキラーを上手に使えば時短にも繋がる」と青西さん。

「カビキラーはカビ取り剤のナンバーワンブランドとして、スプレー時間が半分になる『ラクラク連射ジェット』、パッキンなどの頑固なカビに効く『カビキラーPRO最強ジェル』、そして、カビ取り後にカビの発生を抑える『お風呂に置くだけ防カビジェル』など様々な製品をご用意しています。カビ取り掃除を楽にできる製品をお使いいただければ、きっと年末の家族との団らんをゆっくりとお過ごしいただけると思います。ぜひ、年末の大掃除の際は、店頭やECサイトで、皆さんのお悩みに合ったカビキラー製品を探して、使っていただけるとうれしいです」

最後に、カビキラーを使った掃除はどのくらいの頻度で行なうべきか聞いてみました。

「カビが発生するタイミングは環境によって大きく異なるので、カビが気になり出したタイミング、少しでも黒いカビが見えたタイミングで使っていただくのがおすすめです。カビがひどくなる前であれば、1回の掃除も楽に済むと思います」

なお、記事中の市場価格は編集部調べです。

中野悦子