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AirDropがついにAndroidに解放? 実はグーグル独自実装【Watch+】
2025年11月28日 08:00
iPhoneやMacなどApple製品での近くのデバイスへのファイル転送に使う「AirDrop(エアドロップ)」が、Androidでも利用可能になりました。いまはPixel 10シリーズだけの対応ですが、今後多くのAndroidスマホで対応していく予定です。
AirDropは、iPhoneを近づけるだけで、写真やファイルを転送できるというシンプルな機能です。Androidでも、Quick Shareと呼ばれる同種の機能がありますが、これまでiPhoneとAndroidの間での相互の送受信はできませんでした。これが相互に送受信できるようになる、というのは大きな進歩です。
日本でiPhoneのシェアが高い理由として、そのブランド力だけでなく、AirDrop(エアドロ)も一因だなどといわれることもあります。高校生などが写真をやりとりするにあたり、AirDropの簡単な使い勝手が支持されて、Androidだと仲間外れになるので、皆がiPhoneを欲しがる、そんな話もよく聞かれます(実際のところはわかりませんが)。
今回はiPhone 17 ProとPixel 10 Pro XLで実際に使ってみましたが、機能としてはシンプル。そばに置いたスマホの間で簡単に写真転送ができました。
iPhoneとAndroid双方の設定が完了していれば、iPhoneであれば写真を選んで、[共有]からAirDropを選ぶと対応デバイスとして、Pixel 10が出てきました。ここでPixel 10を選ぶと、Pixel側で[承認する]を選べばPixel側に画像が転送されます。
同様に、Pixel 10で写真を選んで、Quick Shareを選ぶと、近くにあるiPhoneが表示されます。ここでiPhoneを選んで、iPhone側で「受け入れる」を選べば完了です。
なお、今回の連携では、Quick ShareがAirDropの「10分間全員」モードと連携します。そのため、iPhoneではAirDropの設定を[すべての人(10分間のみ)]に、AndroidのQuick Shareは共有を許可するユーザーの設定を[近くにいる全員(一時的)]に設定する必要があります。
iPhoneとAndroidの間のファイル転送が、とてもシンプルで使いやすくなりました。逆に言うと、これまでのiPhone/Android間ではこのスムーズなやり取りができなかったことがなんだったのだ、とも感じます。
iPhoneの強みであるAirDropがついに「解放」されたのは大歓迎、のハズですが、今回のAirDropとAndroidのQuick Share連携を発表したのはGoogleのみ。Appleからの声明はありません。Googleのリリースやブログを見ても、「将来的にはAppleと協力」との記載はあるものの、Appleと協力したとの直接的な言及はなさそうです。
そこでGoogleに確認したところ、今回のAirDrop連携は「Google独自の実装により実現しました」とのこと。Appleと特別に連携したものではないそうです。
Google独自の実装により実現しました。社内のプライバシーおよびセキュリティチームによる徹底的な検証に加え、第三者のセキュリティ専門機関によるソリューションのテストも実施しています。
Google Japan 広報
Googleは、ブログにおいて第三者のセキュリティ専門機関との協力など、徹底したセキュリティ対策をアピールしています。Appleは、プライバシーやセキュリティを理由にOSの機能解放に慎重な姿勢を示していますが、今回、Googleが相互接続を求めて、半ば強引にAppleに解放を求めてアプローチしているのかもしれません。
欧州や日本においても、OSの機能解放を求める要求は高まっているため、今であればAppleに“塞がれる”ことはないと判断したのかもしれません。
これまでも、AirDropとQuick Shareが相互に連携しないため、一部のスマホメーカーやアプリで、iPhoneとAndroidでファイル共有できるサービスはありました。しかし、今回OSに統合されたQuick ShareとAirDrop連携を使ってみると、間違いなく「スマホが便利になった」と実感できますし、OSに統合していることのメリットは明らかです。これが「当たり前」になってほしいとも感じました。
今回の連携は、AirDropの「10分間全員」モードのみですが、今後「連絡先」などさらなる連携に繋がってほしいと1ユーザーとしては感じています。







