ミニレビュー

撮れるメガネ「Linse」使ってみた

Linse

「眼鏡市場」を展開するメガネトップから、国内眼鏡メーカーとして初となる、写真・動画撮影対応のスマートグラス「Linse(リンゼ)」が発売されました。価格は55,000円です。

今回、実機を借りて試用する機会を得たので、目玉機能である撮影機能を中心に使用感を紹介します。

Linseでの撮影について

Linseは、外観や撮影時の操作感などがMetaのAIグラス「Ray-Ban Meta」によく似ています。ツル右上部のシャッターボタンや音声操作で撮影を開始でき、撮影時にはLEDが点灯・点滅するのも共通しています。

約1,200万画素のカメラを搭載しており、写真や動画の画質は、明るい場所であればSNSに投稿して共有するには十分です。低照度環境でも立ち止まって撮影すれば割としっかり写りますが、暗所での動画撮影ではさすがにノイズが目立ちます。

動画のブレも、明るい場所であれば気にならないので、基本的にはサングラスを着用するような明るい時間帯や場所で活躍するカメラという印象です。

明所、低照度、暗所での作例

Linseはプライバシー対策として、写真・動画撮影時にはLEDが点灯・点滅し、写真撮影時にはシャッター音も鳴る仕組みになっています。LEDの点灯とシャッター音の様子は以下の動画の通りです。

実際に試してみた限りでは、こうした仕組みは使用感を大きく損なわず、プライバシーへの配慮としてバランスが取れていると感じました。

シャッター音とLED点滅の様子

プライバシー対策ではこのほか、動画撮影開始時にLED部分を手で覆い隠すと、「正面LEDインジケーターを隠さないでください」という音声が流れ、システム側で撮影が拒否される機能も備えています。

ツルの左右付近にカメラがあるスマートグラスは、髪の毛がレンズにかかることがあるのですが、担当者に確認しつつ、実際に髪の毛をかけた状態で撮影を試したところ、髪の毛が少しかかる程度では撮影は拒否されませんでした。

動画の連続撮影時間は最長1分です。デフォルトで3分間撮れるRay-Ban Metaよりは短いものの、使用した限りではスマートグラスで撮影したい場面は1分を超えることはなく、長時間の撮影はスマートフォンや本格的なカメラを使うべきと考えるため、個人的にはあまりデメリットに感じませんでした。

少し気になったのは、動画撮影を開始する際のシャッターボタン長押し時間が約2秒と、やや長めな点です。撮りたいと思ったタイミングで押しても、開始までにわずかなラグを感じます。長押し時間が1~1.5秒程度であれば、体感的なラグはかなり軽減され、より使いやすくなるのではないかと思いました。

一方で、音声操作の反応は(シャッターボタンの短押しよりは時間がかかるものの)良好なので、撮影開始は音声指示、撮影終了はシャッターボタンの短押し、という使い方が最もストレスの少ない組み合わせでした。

ただ、音声操作は周囲から見ると独り言のようにも見えるため、場所によっては使用にやや抵抗を感じました。イヤフォンでのハンズフリー通話などに慣れている人であれば、あまり気にならないかもしれません。

このほか、専用アプリ「Linse Connect」はシンプルなUIで、全体的に使いやすかったです。アプリからスマホへ写真・動画をインポートする際も、どのデータを取り込むかをアプリ内で選択できるので便利でした。

Vlog撮影に適した日本で使えるスマートグラス

Linseを使ってみた感想としては、自分の目線に近い映像をシームレスに撮影できるため、手元を映す作業Vlogのような動画を作る人には相性のよい製品だと感じました。

従来の撮影できる眼鏡型デバイスと比べても違和感なく装着でき、通常の眼鏡やサングラスと同じように身に着けられます。常に装着できるため、カメラを取り出すという動作が不要で、撮りたい瞬間にすぐ撮影できるのはこの製品の利点です。

公式サイトを見ると、オプションでクリアレンズへの変更も可能とのことで、普通の眼鏡として日常使いすることもできそうです。

発表会でも紹介されていましたが、手元を映す撮影に適しています

一方、動画のアスペクト比には注意が必要です。Linseの製品ページでは、動画撮影の紹介に横長動画を想起させる画像が使われていますが、実際に撮影した動画は縦長でした。

YouTubeなどの横長動画として使いたい場合は、自分でトリミングする必要があります。個人的には最大解像度で横長動画を撮影し、必要に応じて縦長に切り出す仕様であればさらに魅力的です。

それでも、技適を取得しており国内で安心して使えることや、店舗で修理対応を受けられることは大きな強みです。撮影機能のみに注目すれば、現時点で日本非対応のRay-Ban Metaより有力な選択肢だと感じました。

浅井 淳志