ミニレビュー

自動でピントが合う「ViXion2」を試す 視野2.4倍で実用性が高まった

自動でピントを合わせてくれるアイウェア「ViXion2」が発表されました。従来モデルから2.4倍に拡大したレンズを搭載し、視野が大きく広がったのが最大の特徴です。筆者は個人的にとても期待している製品なのですが、メーカーからサンプル機を借りることができましたので試用してみました。

ViXionは、オートフォーカス機能によって最短5cm~無限遠に焦点距離が合うアイウェアです。老眼や遠視などの人や、白内障で眼内レンズを入れていて、単焦点でしか物を見られないという人などでも、レンズが自動でピントを合わせてくれるため、近くの物も遠くの物もViXionだけで自在に見ることができます。発売は4月17日で、価格は110,000円です。

今回の特徴はなんといっても、2.4倍に大きくなったレンズです。従来モデルは機能面では画期的で感動レベルでしたが、レンズが小さいことから視野が狭く、どうしても双眼鏡を覗いているような感覚はありました。

このため、例えば本を見ても確かに文字は読めますがページ全体を視界に入れることができないので、文字を目だけで追うことができず、頭を動かして文字を追う必要がありました。

「ViXion2」では、レンズが大型化したことで視野が大きく広がりました。実際に視野について記者会見で公開されたイメージ画像があるのですが、旧モデルでは文庫本の一部しか見えず、ViXion2では文庫本のページ全体が見えるという説明で、実際に使った感覚とかなり近い画像です。文庫本の場合、ページ全体がほぼ視野に入りますので、旧モデルと違って頭を動かさなくても目だけで文字を追えます。これは使い勝手として大きく前進していると感じました。前モデルからオートフォーカスの素早さも継承していて、キビキビとピントが合います。

記者会見で提供された視野のイメージ。実際円の内側はこんな感じで見えます。前モデルと比較すると違いが明白です。ただ、フレームがあるので円の外側はもう少し視界が遮られます

筆者は14インチのノートパソコンを使っていますが、文庫本より画面は大きくても、距離は文庫本より遠い位置で使いますから、こちらについても画面のほとんどを視野に収めることが可能でした。とにかく視野が広がったことで、視線の動きだけでできることが非常に増えました。この変化はとても大きいです。

個人的にはこの製品、プラモデルの組み立てに抜群に相性が良いのではないかと思っています。旧モデルでも対応はできたと思いますが、やはり視野が広ければ作業性は上がります。そして何より最短5cmの物が見える、というのは、細かい作業が必要な場面で圧倒的なアドバンテージです。この領域だと一般的なメガネでは対応できませんし、本来ルーペなどを使うような領域で、説明書を見る場合はメガネ、細部を見る場合はルーペ、などと使い分けるイメージになりますが、ViXion2ならそうした手間がいりません。

こうした細かいパーツも確認しやすいです(写真はイメージ)

ただし、外側の枠がなくなったわけではないのは変わりません。枠の存在感は相変わらずありますので、枠が気にならない、ということはありません。特に、手作業時に視野の下の方を見る場合は、首を曲げる角度に限界があることから少し苦手に感じました。センサーがレンズの上側(眉間のあたり)にあるので、特に手元の作業ではどうしても下側にある物体に対して死角ができてしまい、フォーカスが合いにくい場合があります。そういう場合はレンズの位置を下向きに少しずらすなどの工夫が必要です。

この点、法人向けとして開発されているモデルでは、つるの部分にヒンジが組み込まれていて、下を向きながら作業をする際に、レンズを下向きに可動させることができます。そのため下方向の視野もそれなりに確保でき、センサーも正確な測距をしやすくなっていると思われます。個人的には値段が上がったとしても、このモデルも一般販売してほしいと思いました。

ツルにヒンジが搭載されている法人モデル

欲を言えば、視線検知をして目が下を向くと自動的に視線を追尾してレンズが下を向く機能などがあればよいですが、価格が跳ね上がってしまいそうなので現実的ではなさそうです。

今回、旧モデルより2.4倍もの大きさのレンズを搭載して再登場しましたが、これは24年9月に行なわれた旧モデルの記者会見時に予告されていたもので、筆者はとても楽しみにしていました。申し分なく、期待通りの進化を遂げていると感じます。視野が広がったことで本の読みやすさやノートパソコンの使い勝手が大きく向上していることを実感できるレベルです。

同社は後継モデルの開発もアナウンスしています。こちらは更にレンズが大型化する予定で、一般的なメガネに近い使い勝手になる可能性もあるとの事です。今回使用している技術とは全く別の技術によって大型化を目指しているそうで、3年後ぐらいの発売を考えているとのこと。こちらも楽しみにしたいところです。

清宮信志