ミニレビュー

オフィスと屋外に最適なイヤフォン。ソニー「LinkBuds」

ソニー「LinkBuds」

コロナ禍がやや落ち着きを見せ始め、リモートワークから少しずつ出社が増えてきた人も多いのではないでしょうか? 筆者もその一人で、対面取材などが増えたこともあり、出社頻度は上がっています。

一方、移動に時間がかからないオンライン会見・ミーティングは非常に便利。対面が増えたからといえ、カンタンな打ち合わせなどはオンラインで済ませたいもの。おのずと、対面とオンラインの“ハイブリッド”に対応しなければいけません。

オフィスでのオンライン会議では“ヘッドフォン”が必須です。これまでは、骨伝導ヘッドフォンのShokz「OpenMove」を愛用しており、「長時間着けていても疲れない」「音質も会議では十分」「着けたまま会話できる」など、オフィス使用で十分に満足していました。ただし、出社が増えるに連れて、少しずつ物足りなさを感じるようになってきました。

その一つが「音質」です。特に音楽を聞きながら仕事をしたい場合、OpenMoveでは物足りず、別のイヤフォンを用意していました。ただ、会議とそれ以外で切り替えるのは面倒で……

OpenMoveの音質も“会話”であれば必要十分なのですが、“音楽”だとイマイチで、さらに音楽を流しながら仕事などのBGM的な利用でも疲れやすい印象です。自宅では音楽やラジオをスピーカーから流しているので、似た環境を環境をオフィスでも実現できないかと考えるようになりました。

そこで選択肢にあがったのがソニーの「LinkBuds(WF-L900)」です。LinkBudsは耳に装着するタイプのいわゆる完全ワイヤレスイヤフォンですが、中央に穴が開いた新開発のリング型ドライバーユニットにより、「耳に装着しながら外の音が聞こえる」という特徴があります。外音が聞こえ、かつ音質も求めたいというニーズにはピッタリそう。

オフィスでの“リモート”ではいまのところ最適

装着してみると、筆者の耳にはしっかりフィットし、ほとんど落ちたことはありません。周囲の音も自然に聴こえるだけでなく、自分の声が籠もらないので、一般的なイヤフォンとは違う“開放”感があります。

装着例。耳穴を塞がない
リング型のドライバーを搭載

音楽を聞いてみても、ボーカルが聞きやすく、弦楽器の解像感も高く好印象です、ユニークなリング型ドライバーのためか低音の量感は物足りないのですが、BGM的に使うのであれば全く問題ありません。もちろん、オンライン会議などの音質も十分で、人の声がしっかり聞こえるようチューニングされている印象です。

OpenMoveは集中して使う分には良いのですが、仕事をしながらでもちょっと出ておきたい勉強会やBGM的に音楽を流すなど、“ながら聞き”の際に疲れやすいと感じていました。その点LinkBudsは、開放的で疲れにくく、ながら聞きにフィットします。

また、オフィスではイヤフォンをを外さずに会話できるのも大きなメリットです。LinkBudsは耳には着けているものの、大きな穴が空いているため外音はほぼ遮断しません。なので小音量で音楽を聞いていれば「話しかけられたけど気づかない」ということはありません。また、イヤフォンを耳に着けたままでの会話も問題ありません。

ただし、「ミーティング中と気づかずに話しかけられる」という機会はOpenMoveの時より増えた気がします。装着していてもあまり目立たないからかもしれないですが、「集中している感」を周りの人に察してもらうには、ブースに入るなどの対策が必要かもしれません。

また、“穴”が空いているということで、「音漏れ」も気になりますが、実際のところ一般的なイヤフォンよりは少し音漏れはあります。ただ、OpenMoveよりは少なく、また漏れる音も耳障りではないので、その点でもLinkBudsのほうが実用的と感じています。

マイクの音質も実用十分です。少し気になるのはバッテリ持続時間が5.5時間とやや短めな点でしょうか。約6時間のOpenMoveでは問題なかったので、LinkBudsも1日の連続利用は大丈夫だろうと思っていたのですが、LinkBudsは音楽でも使うため利用時間が長くなりがちです。こまめにケースに入れて充電したほうが良さそうです。残量10%になると音声で知らせてくれるのですが、ミーティングに入ってすぐに残り10%と知らされて慌てることもありました。

LinkBudsはケースで充電

充電ケースと合わせると最大17.5時間浸かるため、重要なミーティングの前には一度充電しておく、といった運用が良いかと思います。

外でLinkBudsもイイ

価格は23,100円と、ノイズキャンセルの無いイヤフォンとしては決して安くはありませんが、用途にハマると従来のイヤフォンにはないLinkBudsならではの気持ちよさがあると感じます。

オフィスでももちろん便利に使えるのですが、個人的にはLinkBudsにより屋外でもイヤフォンの利用シーンが拡大した用に感じます。というのも、外の音を聞きながら、音楽やラジオ、ポッドキャストなどを聞くのがとても気持ち良いのです。

ノイズキャンセルイヤフォンでも外音取り込み機能がついた製品は多いですが、マイクで拾った音ではなく、外の音そのものが聞こえるので、自然に音楽やラジオと外の音が混じって聞こえます。散歩をしながら音楽やラジオを聞くのがとても楽しいイヤフォンです。

ただし、通勤電車などでは外の音がそのまま入ってきてしまうため、集中して聞くのは難しく、特に地下鉄では全く聞こえません。地上を走る電車であればそれなりに聞こえますが、きちんと聞きたければ普通のイヤフォンを選んだほうがいいとは思います。ただ、すべてのシーンに対応するのではなく、特定のシーンでの使いやすさ、気持ちよさみたいなものにフォーカスしたための良さが、LinkBudsにはあるように感じます。

個人的には今年買った製品でも一番のお気に入りで、日々重宝しています。ただ、LinkBudsを購入した人からは「耳に合わなかった」という声も複数聞かれました。そのため販売店などで試してから購入するほうがいいかもしれません。

臼田勤哉