from Impress

IT仕事図鑑(3) プロダクトの信頼性を最大化「CRE=顧客信頼性エンジニア」

「ITの仕事」と聞くと、プログラマーやシステムエンジニアを思い浮かべる人が多いかもしれません。ですが実際のIT業界には、あまり知られていないものの、サービスや開発現場を支える“専門職”が数多く存在します。

たとえば、「SRE」「CRE」「VPoE」「エバンジェリスト」といった仕事。名前だけでは何をする仕事かわからないかもしれませんが、実はこれらは、近年ますます重要性が高まっている職種です。

本連載では、IT業界の基礎知識から職種までをイラストでわかりやすく図解し、発売即重版となった書籍「IT仕事図鑑 はたらく現場と人がイラストでぜんぶわかる!」 の中から、“知る人ぞ知るIT仕事”をピックアップ。かわいいイラストとともに、「どんな仕事なのか」「どんな役割を担っているのか」をわかりやすく紹介していきます。

4月8日の発売直後からAmazonのカテゴリランキング6冠や全国書店でも大きな反響を呼び、即重版!「IT仕事図鑑 はたらく現場と人がイラストでぜんぶわかる!

「CRE」=顧客の課題からシステムや運用を見直し、サービスの信頼性を高める

CRE(顧客信頼性エンジニア)とは「Customer Reliability Engineer」の略で、顧客や自社のサービスを安心して利用できる状態を、技術としくみの両面から支えるエンジニアです。

不具合対応にとどまらず、ソースコードを解析、仕様上の欠陥やバグを特定し、開発チームとともにシステムそのものを修正することで、同様のトラブルを根絶します。また顧客のシステム利用状況を分析し、信頼性を損なう可能性のあるボトルネックを先回りして解消することで、サービスへの顧客の信頼性を高めることも行ないます。

CREは顧客の課題からシステムや運用を見直し、サービスの信頼性を高める存在

信頼を技術で支える顧客のパートナー

CREは、顧客対応と技術支援の両面を担います。顧客からの問い合わせや問題報告を受け取ったら、まず技術的な根本原因を分析します。システムの仕様や実装に起因する場合は開発チームと協力し、プログラムを修正します。

障害発生時は迅速に対応し、再発防止策を提案し、実行することはもちろん、特に、再発防止のための「運用の自動化」や、「同じトラブルをくり返さないしくみづくり」に力を入れます。また、トラブル対応の記録を知見(ナレッジ)として社内で共有したり、顧客が自力で問題を解決できるようなしくみを整えたりします。

加えて、顧客のサービス利用状況を分析し、設定の見直しや使い方の改善提案をするなど、顧客の不便さを先回りし、より快適にサービスを使ってもらえるよう支援もします。技術的な知識とコミュニケーション力の両方で顧客に寄り添い、顧客視点で信頼性を高めていくことこそがCREの最大の価値といえます。

今後のキャリアとしては、前回登場したSREやPdM(プロダクトマネージャー)などが考えられます。

SRE(サイト信頼性エンジニア)は、サービスが止まらず安心して改善し続けられる状態を、「しくみ」で支える人
PdMは、プロダクトで市場をつくる司令塔

どんな人がCREに向いているの?

「技術サポートが好きな人」「問題を整理し、根本原因を突き止めることが得意な人」。そんな人は、CREに向いていると言えるでしょう。

CREになるには、どんな資格を持っていると有利なの?

確実に持っていなければいけない資格はありませんが、「Google Cloud Associate Cloud Engineer」や「CompTIA Linux+」「ITIL 4」の資格を持っていると有利になるかもしれません。

IT業界には、「プログラマー」や「システムエンジニア」以外にも、まだまだ知られていない多彩な仕事があります。次回も、“知る人ぞ知るIT仕事”を紹介していきます。

IT仕事図鑑 はたらく現場と人がイラストでぜんぶわかる!

・価格:1,870円
・ページ数:224ページ
・サイズ:A5判
・著者:小野歩 著/増井敏克 監修
・内容
序章 ITの仕事となり方
1章 ITの仕事現場での基礎知識
2章 アプリ開発系
3章 インフラ系
4章 AI・データ分析系
5章 社内システム・保守系
6章 コンサルタント系
7章 監査系
8章 マネジメント系
9章 セールス系
10章 Web系
11章 伝える系
12章 横断系
巻末付録 IT資格一覧