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三菱UFJ、残高3000万でアメックス・プラチナ無料 「エムット」富裕層戦略

エムット Excellent Club カード プラチナ アメリカン・エキスプレス・カード

三菱UFJ銀行は、預かり残高を起点にした富裕層向け会員組織「エムット Excellent Club」を発表した。2027年3月からスタートする。デジタル相続プラットフォーム「エムットそうぞく」も26年度下期から提供予定と発表され、生涯をカバーすると謳う「エムット」の領域を拡充する。

「エムット」は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の個人向けサービスを大改革した新金融サービスブランドとして25年6月にスタート。カードや信託・証券などグループ各社の領域を横断してサービスが企画・開発されているのが特徴。

エムット開始後、銀行口座開設、カード発行、証券口座開設など各領域は前年度比で大きく伸びており、「次の進化に向けた強力な基盤になった」(三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役専務 リテール・デジタル事業本部長兼グループCDTOの山本忠司氏)と手応えが語られている。

エムット開始後に伸長
三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役専務 リテール・デジタル事業本部長兼グループCDTOの山本忠司氏

同行は個人向けで国内最大規模を誇り、競争が激しくなっている富裕層向けサービスに「預かり残高」という切り口で本格参入。富裕層向けのプラチナカードも用意するなどして「エムット Excellent Club」を富裕層戦略の中核に据える。

「エムット Excellent Club」は富裕層領域に、「エムットそうぞく」は高齢者層や相続領域に、それぞれエムットのサービスを拡張するもので、「一生寄り添える」「生涯にわたって伴走できる」と謳うコンセプトを拡充し、完成に近づけるものになる。

2つに新サービスの位置付け

遺産相続のデジタルプラットフォームのサービス化については、相続時の資産が他社のネット銀行などに流れるケースが増え「危機感を覚えている」(山本氏)ともしており、繋ぎ止めや囲い込みの意味でも強化する。デジタル化や電子署名で簡便にし、相続を生前の作業として浸透させるほか、財産の管理や承継を「信託」の形にできる機能も用意するなど、独自の強みも盛り込んだ。

次世代へつなぐ領域を強化する「エムットそうぞく
「もしものたくす合鍵」は信託の形にする

今回の2つのサービスは、エムット全体のロードマップの中では第2弾の一部にあたる。今後も「AIバンクを目指す」(山本氏)というデジタルバンクのスタートや、証券子会社の統合などが控えている。

今後の展望

エムット Excellent Club

「エムット Excellent Club」の入会資格は、三菱UFJ銀行の預かり金融資産残高が3,000万円以上、または同行の資産運用残高が1,000万円以上の個人。会員本人の配偶者と3親等以内の個人も家族会員の資格を得られる。入会金と年会費は永年無料(クレジットカード含む)。

入会資格

三菱UFJ銀行からの招待で入会するのも特徴で、提供側の戦略とユーザー層を一致させられるのが強み。「集中的に優遇サービスを提供できる。相談で対面のニーズが出てくれば、応えていく。一生をかけて応えられるクラブにしていきたい」(山本氏)。

初年度は三菱UFJ銀行の会員組織だが、次年度以降は信託銀行や証券、デジタルバンク(詳細は今後発表)などグループ各社が参画し、入会資格はグループ預かり残高基準に変更される。これにより、三菱UFJ銀行単体では会員数75万人以上、預かり残高50兆円以上が目標だが、グループ各社の参画後は会員数80~100万人、預かり残高は70兆円以上を目指す。

今後の入会資格は参画するグループで合算した預かり残高基準に変更される

残高3,000万円以上という基準については、三菱UFJ銀行の口座全体の2%でしかないものの、(富裕層でなくても)「退職金などを入れるとチャンスがある」という。

なお入会資格は、現在の「三菱UFJ銀行 エクセレント倶楽部」と同じで、既存会員はそのまま「エムット Excellent Club」に移行する。ただしサービス内容はほとんどが新規のため、新しい会員制サービスという位置付けになる。

また、三菱UFJ信託銀行が提供している「三菱UFJ信託 エクセレント倶楽部」は統合・再編される予定で、2028年度までに、シニア領域に特化した「エムット Excellent Club シニア版(仮称)」が内部に創設される。

年会費無料のアメックス・プラチナ

「エムット Excellent Club」の会員向けサービスで注目されるのが、会員限定で申し込めるクレジットカード「エムット Excellent Club カード プラチナ アメリカン・エキスプレス・カード」。カードの入会金・年会費は永年無料。三菱UFJ銀行と三菱UFJニコスの共同開発で、2027年度上期の早い時期にリリースを予定する。

エムット Excellent Club カード プラチナ アメリカン・エキスプレス・カード

最大の特徴は、三菱UFJ銀行への預け入れ残高に応じてポイント還元率が上昇すること。本邦初の「本格的な銀行預かり残高連動型クレジットカード」とし、特許出願中。預かり残高3,000万円以上の場合で1%が、最大で1.6%が、買物などの際にポイントで還元される。

対象店舗でのポイント優遇も用意され、最大20%還元になる。クレカ積立は最大7%のポイント還元。ほかにも各種の旅行・グルメサービス、付帯保険などが用意される。アメックス提携カードとしての特典も備える。

カードのデザインは縦型で、日本古来の伝統色で高い官位を表した「至極色」(紫)が選ばれている。その会員資格から、三菱UFJ銀行のユーザーのうち上位2%だけが持てるカードとなり「MUFG最上位の証。エムットExcellent Clubの会員証のような形になる」(三菱UFJニコス 代表取締役社長の角田典彦氏)としている。

なおこのカードは、カード事業単体の採算性をみるのではなく、グループ全体の採算性でもって提供するとしているほか、短期ではなくグループの長期の戦略の中で採算性を捉えていく方針。他社のプラチナカードのような高額な年会費やカード利用実績が条件のビジネスモデルとは根本的に異なるとしている。

金利優遇、リモート相談、特別体験など多岐にわたるサービス

「エムット Excellent Club」ではほかにも会員向けサービスとして、金融のプロフェッショナルチームに顧問のように資産運用から不動産、税務などの相談ができるリモートプレミアムアドバイザリー、預金やローンの金利優遇、銀行窓口での優遇、会員本人の逝去後に1年間は家族に会員ステータスを引き継ぐ家族承継機能、スポーツ観戦のVIP席や学芸員帯同での美術館貸し切りといった特別体験、リロクラブとの提携で提供されるグルメ・ホテル・旅行の優遇・割引サービスなどが用意される。

「エムット Excellent Club」の主なサービス
リモートプレミアムアドバイザリー
家族承継機能