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秋葉原に木造9階建ビル「KiGi AKIHABARA」

サンケイビルは、同社初となる木造中高層オフィスビル「KiGi AKIHABARA」を開業する。所在地は東京都千代田区東神田二丁目で、アクセスは東京メトロ日比谷線 秋葉原駅・都営新宿線 岩本町駅・JR浅草橋駅から徒歩6分など。

木造と鉄骨造を組み合わせたハイブリッド構造のビル。建物中央のコアを鉄骨造、外周部を木造フレームとする構造により、都市部の中高層建築に求められる性能と木材利用の両立を図った。

位置図

建設時には、同規模の鉄骨造と比較して約59.1トン、約19%の鉄を木材に代替しており、建設時CO2排出量を約112.3トン削減しているという。また、鉄骨の一部への電炉材使用や、再生可能エネルギーの環境価値の活用により、建設時から運用時まで環境配慮を進める。

KiGi AKIHABARAのコンセプトは、「木でつながる。人がかがやく。」。建物に採用した木材を、オフィス空間の内装や入居者の体験にも活かしている。

木質耐火部材や木材を用いた構造部材を可視化し、意匠と構造を一体的に設計した。利用者の交流や滞在を促す空間として整備した共用部やラウンジは、内装の木質化と木製家具を配置した。開業後も、木や森に関わる活動や情報発信を継続し、コンセプトを運用面でも展開する。

2階 ラウンジ
セットアップオフィス
屋上テラス
1階 カフェ
館銘板

具体的な取り組みとして、体験型サステナビリティプログラムを実施。都市のオフィスを“森の入り口”として位置づけ、親子向けの「森ごとクレヨン」制作ワークショップ、定期セッション「KiGi Sustainable Open LAB」、苗木を育て森へ返す「MODRINAE(戻り苗)」などを開催する。

親子ワークショップ
森ごとクレヨン

1階・2階・9階の空間デザイン監修として参画したPuddleの代表取締役 加藤匡毅氏は、「従来のオフィスビルにはない、公園のような居場所をデザインした」と説明。基壇部は、ビルの北側を流れる神田川の水脈をたどるように、赤土や多摩の土壁、国産材の家具を配置し、この場所が自然とつながっていると感じさせる空間を目指したという。

開発にあたっては、都市部の中高層オフィスにおける木材活用を実現するため、複数の木技術を組み合わせた設計とした。木を構造材、耐火被覆、耐震部材として活用することで、木造✕鉄骨造ハイブリッド構造を支えているという。これらの取り組みは、国土交通省「令和6年度優良木造建築物等整備推進事業」に先導枠として採択された。

構造体の柱・梁・床に採用した木質耐火部材は、「環境配慮型λ-WOOD II(ラムダウッド・ツー)」。木材を構造に利用しつつ耐火性能を確保し、接着剤を使用しないため、解体時に木材と耐火被覆材を分別解体しやすく、リサイクル時の環境負荷低減も見込める。

木材を耐火被覆として利用した鉄骨部材は「ドレスウッド」。鉄骨の強度を活かしながら、断熱材と木材で耐火被覆を施し、表面を木材とすることで、オフィス空間の木の質感につなげた。

耐震部材は木質材料を用いた「KS木質座屈拘束ブレース」。木質材料で鋼材を拘束し、安定的な変形性能を発揮する。国産カラマツを活用できる技術で、国内林業の活性化にもつながるとしている。

これらの木質技術には、熊谷組、住友林業の技術を活用している。

所在地は東京都千代田区東神田二丁目8-16。アクセスは東京メトロ日比谷線 秋葉原駅・都営新宿線 岩本町駅から徒歩6分、JR・つくばエクスプレス 秋葉原駅から徒歩9分、JR浅草橋駅から徒歩6分。敷地面積は169.27m2、延床面積は1,072.04m2。竣工は5月29日。