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秋葉原に木造9階建てビル 熊谷組の新技術を日本初採用

サンケイビルは、同社初の木造中高層建築物「(仮称)秋葉原木造オフィスビル計画」の開発に着手した。熊谷組の新技術である「環境配慮型λ-WOODII(ラムダウッド・ツー)」を日本初採用する。

木造と鉄骨造のハイブリッド構造の9階建オフィスビル。所在地は東京都千代田区東神田二丁目5-1(地番)で、アクセスは東京メトロ日比谷線 秋葉原駅および都営新宿線 岩本町駅から徒歩6分など。交通利便性が高く、神田川に面していて開放感がある立地としている。

熊谷組の新技術を導入することで、日本初の1.5時間耐火構造梁を使用したビルを実現。新技術の環境配慮型ラムダウッド・ツーは、木材と被覆材の分別廃棄を可能とした木質耐火部材で、柱・梁・床・壁の1~3時間の耐火構造の国土交通大臣認定を取得した。

同技術はこれまでに柱(1,2時間)・梁(1,1.5,2時間)の耐火認定を取得しているが、新たに柱・梁3時間および床・壁1,2時間の耐火認定を取得したことにより、耐火要件上は15階以上のすべての耐火建築物の主要構造部に木造を適用することが可能となる。

また、解体分離が可能という特徴を持つ。芯材(木材)とその周囲を耐火被覆する石膏ボードとの間に接着剤を一切使用しない留付材のみで固定する仕様で、解体時には容易に木材と石膏ボードを分離できる。それぞれの再資源化が可能になるとともに、廃棄にかかるコスト低減につながるとしている。

環境配慮型λ-WOODIIの断面構成

秋葉原木造オフィスビルの内装は、木質化やCLT床の採用の採用により建物内部空間でも木を感じられる設えを計画。1・2階を共用部とし、オフィステナントや地域に開かれた場所とすることで、木造建築の魅力発信にもつなげる。

敷地面積は169.27m2、延床面積は1,017.04m2。'25年1月中旬着工、'26年3月下旬竣工予定。