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AI時代も「世界最高の製品」がアップルの戦略 クックCEO最後のWWDC
2026年6月9日 06:53
アップルは9日、開発者会議「WWDC 26」を開催した。次世代Apple IntelligenceやSiri AIなどAIを軸にしたプロダクトを中心に発表され、それらが搭載予定のiOS 27などの最新OSの予定が示された。
9月にCEO退任予定のティム・クックCEOが登場し、CEOとしては最後のWWDCのスピーチを行なった。Apple IntelligenceやSiri AIについては別記事で紹介しているが、ここでは発表の概要をまとめる。
ティム・クックCEO体制で最後のWWDC
ティム・クックCEOは、「Appleは常にテクノロジーはパーソナルでパワフルで使いやすくあるべきだと考えてきた。Appleのハードウェアとソフトウェアの緊密な統合はそれぞれの製品の可能性を最大限に引き出す。その理念のもとで私たちはOSがシームレスに連携するよう設計し、共通のテクノロジー基盤を作ることでデベロッパーがあらゆるアプリで優れた体験を生み出せるようにしている」と切り出した。
今回のWWDCは、従来のようなOSやプラットフォームごとの発表は少なく、OSを横断した共通の体験についての説明が多かったが、この冒頭のクック氏の説明の通りに進行した。
クック氏は、「パワフルなツールを手にした人たちがかつて想像もできなかった場所から驚くべきことを成し遂げる姿を私たちは目の当たりにしてきた。まさにそれがWWDCの目指すもの。可能性の限界を広げる新しいテクノロジーとイノベーションを紹介する」と述べ、今回のWWDCがApple IntelligenceとSiriが中心になることを明かした。
パフォーマンスが向上 iOS 27はiPhone 11もサポート
Appleソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギ氏は、今回のWWDCの主な発表が「プラットフォームの改良」「信頼性と安全性」「Apple IntelligenceとSiri」の3点であると説明。あわせて、恒例となっている新しいmacOSのニックネームが「macOS Golden Gate」となることを紹介した。
プラットフォームについては、新たなiOSなどのパフォーマンス向上を説明。iOS 26世代で導入したデザイン基盤の「Liquid Glass」について、スライダーで透過率を変えられるようになることや、アイコンの透過率の調整、macOSのすべてのウインドウの角の丸みが統一されることなどを紹介した。
パフォーマンスについては、アプリを開く際に必要なデータをあらかじめ読み込むことで、iPhoneとiPadでのアプリ起動が最大30%速くなると紹介。これは他社製アプリも含まれる。また写真ライブラリの読み込みは最大70%、AirDropは最大80%高速化され、iPadのファイル転送も大幅に改善される。
アニメーションもよりスムーズになる。これらの改善は、CPUスケジューラの最適化などによるもので、この改良は旧モデルにも適用される。そのため、iOS 27は、iPhone 11世代までサポート可能で、iOS 26対応のすべてのiPhoneが継続してサポート対象となる。
また、検索機能を再設計し、瞬時にインデックス化。Spotlight、写真、メールアプリの検索機能が高速かつ関連性の高い検索が行なえるようになる。
安全性:子どもの保護を強調
加えて、時間をかけて説明されたのが、信頼性と安全性。特に子どもの保護機能の拡張だ。
詳細は別記事で紹介しているが、子ども向けのアカウントの機能を強化し、保護者が子どものデジタル体験を安全に導けるよう、アプリだけでなく、新しく見たいウェブサイトの閲覧許可を保護者に求める機能などが追加される。
また、再設計された「スクリーンタイム」は、エンターテインメント、ゲーム、ソーシャルメディアを合わせた1日の推奨利用時間を設定できる「許容時間(Time Allowances)」という管理方法が導入される。
また、コンテンツ介入も強化。ヌードや残酷なシーン、暴力的な内容を含む画像・動画を子どもが目にする前に警告・介入できるようになる。
AI本格展開「Apple Intelligence」「Siri AI」
機能面での大きなトピックとなるのが、次世代「Apple Intelligence」と「Siri AI」。
完全に再設計された「Siri AI」では、より豊かな会話能力と複数アプリをまたいだパーソナルな文脈を理解して、応答するほか、専用のSiri AIアプリも提供予定。また、Siriが画像認識にも対応し、カメラで撮影した画像やWeb画面上のオブジェクトからの認識・検索などに対応する。
Apple Intelligenceは、OS統合が進みながら、ユーザーが「よく使うアプリ」での使い勝手を向上。写真やSafari、ショートカットなどとの連携を大幅に強化した。詳細は別記事で紹介している。
なお、Apple Intelligenceでは一部のサーバー処理を伴う機能には1日の利用上限が設けられるが、「iCloud+」の契約により上限の引き上げも可能。Siri AIのベータ版は年内に公開予定で多くの言語に対応予定だが、EUと中国では規制のため、当面非対応となる。
想像力に限界はない Appleの目標をクック氏が強調
ティム・クックCEOは、「我々は、それぞれのプラットフォームを便利で魅力的なものにし、子どもたちがApple製品を最大限に楽しみながら最も適切な体験ができるようにする機能も追加していく。次世代のApple Intelligenceは様々な新機能をもたらす。その一つであるSiri AIは豊かな会話能力を備え、パーソナルコンテクストを活用してより多くのことをこなせるようになる」と、今回の発表をまとめ、各OS向けの開発ベータ版を9日に公開し、パブリックベータ版は7月に公開、秋には一般公開すると説明した。
最後に、「個人的な話」と語りながら、感謝のコメントを述べ、例年よりやや短い(約1時間15分)WWDCの発表を終えた。
「個人的な話になるが、このようなイベントは私がCEOとして過ごした年月の中で最も思い出深い時間だ。新しいパワフルなツールを紹介し、みながそれを使って生み出すものを見ることは、想像力には限界がないということを常に思い出させてくれる。みなが長年にわたり、新しい形で人々がつながり、創造し、学び、世界を体験するための手助けをしてくれた。今日発表した画期的な新機能やこれから生まれる多くの可能性により、未来はとても明るくなると私は確信している。Appleにとって、世界最高の製品を生み出し、人々の毎日を豊かにする体験を届けることは不変の目標だ。私の人生におけるこの上ない喜びは、このミッションを創造性、思いやり、揺るぎない信念によって人々の毎日に意義ある変化をもたらすことをチームとともに追求できたことです」





















