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AWS、フィジカルAI開発を本格支援 節目の年の国内戦略
2026年1月28日 08:00
AWSジャパンは1月27日、「フィジカル AI 開発支援プログラム」の応募受け付けを開始した。AWS上でVision-Language-Action(VLA)をはじめとするロボット基盤モデルなどを開発する、日本に法人または拠点を持つ企業・団体を支援する。
同プログラムは、データ収集や前処理からモデルトレーニング、シミュレーション、実環境へのデプロイまでのパイプライン全体の構築を支援し、AIのロボティクス分野への活用推進を目的とする。
採択企業・団体には、フィジカルAI領域スペシャリストによる技術支援、開発費用の一部を補助するAWSクレジット提供、ロボティクス・生成AIコミュニティ形成、Go-to-Market支援を提供する。プログラム全体では最大600万ドル(約9億2,700万円)規模の支援を予定している。
応募締め切りは2月13日で、2月中をめどに選考結果を通知する。開発支援期間は3月初旬から6月までだが、実際の開発状況に応じて半年程度を目安に柔軟に進める見込み。4月以降に公募開始予定のGENIACロボット基盤モデル開発への応募支援も行なうほか、7月中には成果発表会を開催する。
応募は専用フォームから申し込みとなり、採択数は最大で数十社を想定。対象はスタートアップから大企業、大学、研究機関まで幅広く、参加にはAWSアカウントが必要となる。
「技術・信頼性・人と社会」への投資でデジタル改革を加速
同日に行なわれた報道関係者向け説明会では、AWSジャパン 代表執行役員社長の白幡晶彦氏、常務執行役員 技術統括本部長の巨勢泰宏氏、常務執行役員 パブリックセクター統括本部長の宇佐見潮氏が登壇し、フィジカル AI 開発支援プログラムを含む、国内戦略が紹介された。
白幡氏は冒頭、AWSジャパンの当初からの企業目的「日本のために、社会のために」に、今年から「その先へ」という言葉を加えたと紹介。
2026年はAWS創業20周年のほか、東京リージョン開設15周年、大阪リージョン開設5周年の節目の年にあたるといい、これまでの15年間で多くの顧客の変革を支えたが、本格的なデジタル改革はこれからだとし、「技術」、「信頼性」、「人と社会」の3本柱で長期的な投資を続ける姿勢を示した。
技術への投資では、国内インフラとAI技術の両面を強化。国内のクラウドインフラやAIに関しては、2027年までに約150億ドル(約2兆3,200億円)を投資する計画を進めている。また、東京・大阪リージョンは災害へのレジリエンスも備えている点を説明した。
AI技術においては、「選択肢の提供」を重視し、自社開発のAIチップや独自AIモデル構築ツール「Amazon Nova Forge」などを提供することで、AIへの技術的なハードルを下げていると述べた。
信頼性への投資については、同社はこの1年で3.8GWのデータセンター容量を追加しており、900万kmを超えるネットワーク網を整備している点を紹介。次世代ネットワーク技術として、従来の光ファイバより遅延を30%改善する「ホロコアファイバ」にも触れ、これによりデータセンター設計の柔軟性向上が期待できるとした。
また、顧客のデータセンター内にAWSのAI専用インフラを展開し、厳格なコンプライアンスやデータ主権に対応する「AWS AI Factories」や、AIエージェントを活用した統合開発環境「KIRO」も紹介。
巨勢氏は、こうしたサービス群によってビジネスの差別化につながらない重労働をAWSが担い、顧客が本質的な価値創造に集中できる環境を提供していくと述べた。
人と社会への投資については、2017年からの9年間で延べ80万人以上の国内人材にクラウドスキル研修を提供してきたほか、「デジタル社会実現ツアー」や「AWS Angel Dojo」などの取り組みを展開していると説明。
また、技術の民主化に向け、生成AIユースケース「GenU」のオープンソース公開や「AI駆動開発ライフサイクル(AI-DLC)」の推進も進めているという。
このほか、デジタル社会の早期実現を目指し、デジタル庁や自治体と連携してガバメントクラウドへの移行やコスト最適化を技術面で支援している点にも触れた。
宇佐見氏は、産官学の多様なステークホルダーとの連携を通じて地域における持続可能な価値創造のサイクルを構築し、日本全体の活性化に貢献していく考えを示した。
















