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NTT、海底ケーブルの伝送容量を4倍に マルチコア光ファイバー活用
2026年3月13日 15:13
NTTは、既存のケーブル構造を変えずに、従来の4倍の伝送容量を実現する海底ケーブルシステムを発表した。マルチコア光ファイバー(MCF)を活用し、世界最高容量となる192コアの海底ケーブルを実現する。
5Gや生成AIの普及により通信需要が拡大する一方、海底ケーブルの容量拡大には限界があった。通信容量は収容する光ファイバーの心数を増やすことで高められるが、現在はケーブル内に収められる心数が上限の48心に達している。
また、海底ケーブルは水深8,000m級の高圧環境への耐性や25年以上の長期運用を前提とした信頼性、敷設設備との適合性を満たす必要があり、ケーブル径を太くして収容数を増やすことは難しい。このため、既存構造を維持したまま通信容量を拡大できる技術として、光ファイバー1本あたりの容量限界を打破するMCFが期待されていた。
同システムでは、従来と同じ125μmのクラッド内に4つのコアを収めたマルチコア光ファイバーを採用。これを海底ケーブル内に最大48心実装することで全体で192コアを実現し、1本あたりの通信容量を4倍に高めた。
高密度実装については、コア間の距離を適切に設計することでクロストークを抑制し、低損失と低クロストークを両立。また、各コアを独立利用できる非結合型のMCFを採用したことで、既存のシングルモードファイバーとの接続がしやすく、新たな専用伝送装置を用意せず、既存装置を4台並列接続する形で運用できるとしている。
商用利用に向け、海底ケーブルと陸上ケーブルを接続する「海底ジョイントボックス」、海底ケーブル同士を融着接続する「工場付ジョイントボックス」、通信局内で既存の光ファイバーとMCFを接続する「MCFケーブル成端架」も開発。
これにより、敷設コストを抑えながら効率的なインフラ整備が可能になるとしている。同社は2029年頃を目標に国内の海底ネットワークから実用展開と普及を目指す。



