ニュース

ハンズ創業50周年 タイパ時代にリアル店舗で「無駄を堪能」

ハンズは8月に、1976年の創業から50周年を迎える。この節目に記念ロゴを作成したほか、特設サイト、メーカーとのコラボレーション企画などを展開する。

同社はハンズ渋谷店にて「ハンズ50周年に向けたメディア発表会」を実施。ハンズ 代表取締役会長 高家正行氏などによる、これまでの歩みや50周年関連企画等の説明を行なった。

ハンズ渋谷店

50周年記念ロゴは現在のロゴと旧ロゴを融合

創業50周年記念ロゴは、「過去を継承しながら次へと繋げていく」というブランドメッセージを背景に、現在の「ハンズ」のロゴに加え、「東急ハンズ」だった頃の旧ロゴの要素を取り入れている。

創業50周年記念ロゴ
旧ロゴ(左)と現在のロゴ(右)

手を数字の「5」に置いているように見える「これまでのハンズ」の歴史と、数字の「5」を持ち上げているようにも見える「これからのハンズ」の未来を表現。複数の候補から従業員による投票を行ない、最も投票数の多かったロゴに決定した。過半数のメンバーがこのロゴに投票したという。今後、各種キャンペーンやイベントなどで活用する。

創業50周年記念ロゴについて説明するハンズ 代表取締役社長 桜井悟氏

50年の間に変わったこと・変わらないこと

ハンズの創業からの歴史については、高家正行氏が説明した。

ハンズ 代表取締役会長 高家正行氏。カインズ 代表取締役社長 CEOも兼任している

ハンズの歴史は、1976年8月の「株式会社東急ハンズ」設立から始まる。同年の11月に1号店として藤沢店(2006年12月閉店)、1977年11月に二子玉川店(2006年6月閉店)、1978年9月に渋谷店がオープンした。

開業当時の藤沢店
開業当時の渋谷店

藤沢店開業時は、東急不動産の新しい事業という形でスタート。大量消費、大量生産の時代で、その時代に対するアンチテーゼとして創業コンセプトに「手の復権」を掲げた。「手を通じて新しい生活文化を作っていこう」という考えで、「生活文化の創造」という企業理念は当時から変わっていないという。

渋谷店のオープン初日は来店客数25,000人を記録。建物のつくりは現在と変わらず、「1A」「1B」「1C」と1つの階の中でも高低差があり、計24フロアとなる。高家氏は「小売業にとっては最も使いづらいビルだが、このフロアが今も変わらないハンズの象徴になっている」と説明した。

ハンズ渋谷店のフロア構成

当時のユニフォームは、私服のシャツにデニム、エプロンで、いわゆる「ガレージスタイル」だった。

渋谷店オープン当時のユニフォーム

渋谷店では、来店客が初めて見る物、世の中にこんな物があったのかと思われる商品を集めて提供することを目指していた。電球だけでも1,000種類、当時は小学校でも使われていた彫刻刀は学童向けからプロ向けまで3,000本を取り揃えていたという。

創業から約20年後の1996年10月に、現在の旗艦店の1つとなっている新宿店が、タカシマヤ タイムズスクエアと同時にオープン。初日の来店客数は渋谷店を超える31,000人を記録した。

開業当時の新宿店

ハンズは全国展開を始めていたことから、ユニフォームはハンズとしての統一感を出すことを目的に、グリーンを基調とした制服を導入した。

新宿店オープン当時のユニフォーム

売場はDIYだけではなく、バラエティ用品、ステーショナリー、ハウスウェア、キッチン用品など幅広く取り揃えるようになり、より生活に密着した生活雑貨を扱うようになってきていた。

あわせて、流行を先取りするようなことも新宿店では意識しており、電動歯ブラシ、キックボード、変装用品やコスチュームなどを売場に並べた。今では文化になっているこれらの商品も、ハンズが火付け役であったとの自負もある。

そこから約13年後の2009年に新たなブランドスローガンとして「ここは、ヒント・マーケット」を打ち出した。以前の片手のロゴもこの時から使われていた。

世の中にはインターネットが普及し、生活や趣味が多様化してきた。そういった中で暮らしや生活のヒントを提供していこうという考えで、例えばビューティ・コスメのコンシェルジュをスタートした。

ユニフォームは、生活雑貨を広げてきたということもあり、清潔感や軽快さをイメージして、白いシャツにギャルソンのエプロンというスタイルに変更された。

当時のユニフォーム

次の大きな転換点となったのは2022年で、東急グループから離れ、カインズグループの傘下となった。屋号は「東急ハンズ」から「ハンズ」へと変更され、ロゴは漢字の「手」をモチーフとしたものとなった。翌23年には、旗艦店をリニューアルした。ユニフォームは、ハンズグリーンを継承しつつ、新しいロゴをあしらっている。

24年からは5年ぶりに、直営店の出店を再開。ロゴ刷新以降の出店は20店舗に達しており、年内には店舗数は100店舗まで到達する見込みとなっている。また海外でも店舗数を増やしていく計画だという。

収益面では、32年ぶりに最高益を更新。50年を節目に新生ハンズをさらに飛躍させていく土台は整ったと説明した。

創業50周年特別企画

創業50周年特設サイトでは、ハンズのこれまでの歩みや、思い出を振り返るコンテンツ、ハンズにまつわるクイズなどを順次展開。内容を随時拡充し、50周年に関連するイベントやキャンペーンなどの情報を継続的に発信する。XやInstagramなどの公式SNSとも連動させて、リアルタイム性のある情報発信やコミュニケーションを図る。

コラボレーション企画は、様々な企業との協同による限定コラボ商品などを予定。現在100企画以上を準備している。

そのほか感謝キャンペーン第1弾としてハンズクラブ会員限定で、購入額に応じて最大1,000ポイントのボーナスポイントをプレゼント。期間は1月22日~2月8日。対象店舗はハンズ、ハンズ ビー、プラグス マーケット、ネットストア。

タイパ重視の時代に「あえて無駄を堪能」

50周年を機に、ハンズ渋谷店では「生活編集図鑑プロジェクト」として、対象カテゴリーの品揃えを強化する。「タイパ」「最短距離」「失敗しない」という効率が重視される時代の中で、「あえて迷う、無駄を堪能」という、見つけるまでの無駄を楽しみ、自分で見つけた・決めた納得感を得る、リアル店舗の価値、買い物の楽しさを提供する。

生活編集図鑑プロジェクトについて説明するハンズ 商品統括部 統括副部長 兼 渋谷店生活編集図鑑プロジェクト担当 加藤裕司氏

生活編集図鑑プロジェクトの名称については、子どものころ、図鑑をめくるたびに新しい世界に出会い、夢中になって好きが増えていく体験になぞらえて、店舗を“訪れる図鑑”に見立てている。

24フロア構成で合計408段の階段がある、ダンジョン感を持つ渋谷店を、迷うことを楽しむプロジェクトの舞台とした。

生活編集図鑑の世界観を可視化するため、単なるフロアマップではないアートとしての「渋谷店絵地図」を作成。画家の塩谷歩波氏が手掛けた。絵地図の中には渋谷を象徴する「モヤイ像」や「ハチ公像」なども描かれている。

渋谷店絵地図は、店頭や店内の様々な場所に展示されている
渋谷店絵地図の説明をする作者の塩谷歩波氏

そのほか、24フロアの迷宮を、突然現れた少女に導かれながら巡り、LINEや冊子を使って謎を解き進める謎解き「感情の塔」を開催している。参加キットは本編2,000円、外伝1,500円で、B2Cフロアにて販売している。

発表会では、図鑑の中でもハンズが推す売場を巡るツアーが実施された。

マンホール関連グッズを500種類以上展開する「HANDS マンホールベース 渋谷」(B1Aフロア)。デザインマンホールブームの仕掛け人でマンホールカードの産みの親である山田秀人氏(写真中央)が監修した
中古ラジカセ・中古ブランクカセットテープの専門コーナー「DESIGN UNDERGROUND SHIBUYA-BASE」(1Bフロア)
推し活のオンラインメディア「Oshicoco(オシココ)」とのコラボコーナー「推し活☆パラダイス」(2Bフロア)
昭和の怪獣ソフト人形の老舗メーカー「ブルマァク」と「マルサン」などを取り扱う「ソフビの世界」(2Aフロア)
約300種の包丁などを取り揃えた「日本の伝統 - 刃物用品」(3Cフロア)
入浴剤を常時1,000種以上ラインアップする「癒しのバスタイム」(4Aフロア)
オリジナルの応援うちわを作成できる「推しうちわ工房」(5Cフロア)
約1,000種類のシールをはじめ、スタンプやマスキングテープなどが並ぶ「私だけのデコレーション」(5Aフロア)
約100種類を取り揃える爪切りコーナー(3Bフロア)
路面転がし・ピロー・荷造りを体験できる「とことん試せるトラベルグッズ」(1Cフロア)
幅広い種類の靴に対応したお手入れ用品を約500種類取り揃える「靴を整えて きれいに美しく シューケア用品」(B1Cフロア)
防災用品約400種類、防犯用品約300種類を取り揃える防災防犯コーナー(B1Cフロア)