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LUUP、初の乗車前アルコール検査 “採算度外視”の安全対策
2025年12月9日 15:08
Luupは9日、安全な移動を基盤に街の移動課題を解決し、「街と人と乗り物の共生」を目指す共創型プロジェクト「Shibuya Safe Ride Project」を発足した。第一弾の取り組みとして、渋谷区内の複数ポートで乗車前のアルコール検査を行なうなど飲酒運転対策を進める。
同プロジェクトは、渋谷未来デザインとともに共同主幹事として立ち上げたもので、第一弾の施策では渋谷区および渋谷区観光協会が後援する「渋谷グッドマナープロジェクト」と連携しながら推進する。また、東急や東京海上日動火災保険、ファミリーマートが賛同企業として参画する。
渋谷区は、鉄道などの公共交通機関が充実している一方、坂道や高低差の多さ、駅周辺への人流集中、駅から離れた生活圏におけるラストワンマイルの移動手段不足といった課題を抱えている。これらは区民の生活利便性にとどまらず、来街者の回遊性や観光、防災、夜間の安全対策など、幅広い分野に影響を及ぼしている。
こうした背景を踏まえ、安全で誰もが移動しやすい都市環境を整えることが渋谷の将来に向けた重要なテーマとなっており、その実現には官民連携の取り組みが不可欠だとして、同プロジェクトが始動した。
Shibuya Safe Ride Projectでは、渋谷区をモデル都市と位置づけ、安全な交通環境の整備と、安全な移動手段の提供を通じた交通課題の解決という2つの軸で中長期的に取り組みを進める。
交通安全、移動支援、地域共生といった複数領域を横断し、官民連携で「安心して移動できる街」をつくることを目的としており、Luupのモビリティ技術やデータと、渋谷未来デザインが持つ地域連携の知見を組み合わせることで、渋谷区での移動の安全性と利便性の向上を図る。
また、効果を検証して施策の高度化につなげ、将来的にはほかの自治体への展開も視野に入れ、渋谷発の新たな移動文化とモビリティ共生モデルの創出を目指す。
第一弾の取り組みとして、年末年始に向けて安全な交通環境の整備を目的に、飲酒運転対策や安全のための啓発を実施する。
具体的には、渋谷区内の複数のLUUPポートで乗車前のアルコール検査を行ない、アルコールが検出された場合にはLUUPを利用開始できない仕組みを検証する。期間は12月中。なお、モビリティシェア事業者で、利用前にアルコール検査を実施する取り組みは世界初となる。
また、飲酒運転防止を目的とした啓発施策として、渋谷の繁華街エリアでユーザーを対象に、LUUPアプリ内で「反応テスト」を12月中旬以降に導入する。
テスト結果を通じて自身の状態を確認してもらうことを目的とし、結果に関わらず、利用前には飲酒していないことを誓約する必要がある。なお、反応テストの再受験回数が規定数に達した場合、一定時間LUUPを利用できなくなる。
渋谷区内の広告枠を活用した安全啓発広告も展開し、街中での訴求に加えて、Luupや渋谷未来デザインなどのSNSやWebメディアでも注意喚起を行なう。
広告は12月9日から15日まで、スターツビジョンや集英社ビジョン、アドアーズ&シグマビジョンで掲出される。特定小型原付や自転車の交通ルールを学び、実際に試乗できる安全講習会も継続的に開催する。
このほか、ヘルメット着用の促進を目的として、LUUPのポート上や周辺においてヘルメットを有人で貸し出し・返却できる場所を設ける取り組みを試験的に実施する。期間は12月12日と15日の15時から18時で、渋谷マークシティ、コインパーク神山町第5、代官山T-SITEの各ポートで行なわれる。
岡井社長「採算度外視で安全対策を実施」
同日に行なわれた発表会では、Luup 代表取締役CEOの岡井大輝氏や渋谷区 副区長の松澤香氏、渋谷未来デザイン 理事・事務局長の長田新子氏が登壇した。
岡井氏は、今回のプロジェクトの舞台に渋谷を選んだ理由として、Luup創業の地であり、ポート数や利用数が全国で最も多いエリアである点を説明。渋谷は特別な営業努力をしなくても自然と普及が進むエリアだといい、だからこそ安全対策を一層強化する必要があるとした。
また、プロジェクトではポートへの人員配置など採算度外視で可能な限りの施策を実施し、そのなかで効果の高い安全対策を見極めていく考えを示した。
Shibuya Safe Ride Projectでは今後、公共交通の利便性が低い地域における移動手段の整備や、駅から離れた大学・企業を対象とした回遊性向上の取り組みなども検討していくという。
取り締まりの様子
12月9日夜からは、渋谷エリアで乗車前アルコール検査が開始。LUUPポート上で利用者様のライド前にアルコール検査を行ない、アルコールが検出された方はライドを開始できない仕組みを実証している。
