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OpenAIは「コードレッド」でも変わらない 長期的な改善とインフラ投資を継続

OpenAIのエグゼクティブが、同社でCode Red(コードレッド/非常事態)が出された件について「特に変わらず、長期的にプロダクトに取り組む」とコメントした。

コードレッドとは、12月3日頃にThe Infomationやロイターなど海外のメディアで報じられたもので、Gemini 3の登場をうけて、ChatGPTの性能向上を最優先する方針を決めたというもの。広告の導入やショッピング対応などの周辺サービスのリリースを延期し、ChatGPTそのものに経営資源を集中して挽回を図ると報じられている。

このコードレッドについてOpenAIの公式のコメントなどは出ていないが、9日に日本のAIインフラをテーマにした説明会に登場したOpenAI CSO(最高戦略責任者)のJason Kwon氏が言及し、「コードレッド以降も変わらない。(ChatGPTなど)プロダクトに長期的に取り組むということで、最高のモデルを作り続けることには変わらない。良い結果になればいいと思っている」と述べた。

AIインフラ投資に必要な官民協働

講演では、日本におけるAIインフラ投資についてJason Kwon氏が説明した。AIインフラに重要なのものは、「土地、電力、データ、エコシステム。そしてそのハーモニーが必要になる」と言及。日本は産業のためのエコシステムが揃っており、GPU提供国との良好な関係もある。土地や電源供給は課題があるが政府のコミットメントも得ており、産業のエコシステムなど、AIインフラとしては整っているという。人材も揃っておりエコシステムがこの上に構築されているため、「グローバルでは大国といえる」とした。

一方、今後の社会におけるAIの拡大については、AIインフラを国家政策として設計していくことが必要で、「日本がなにを重視していくか」の判断が必要という。日本の経済をどうしていくかだけでなく、ロボティクス投資はどうするか、人口減少への対応などを決める中で、AIが活用できる基盤は多い。投資規模も大きくなるため、官民共同での取り組みが必須とし、国の文化や方針にあわせて、AI導入を支援する「OpenAI for Countries」の取り組みにより、OpenAIが日本のAI政策に積極的に関わる方針を示した。

AIの主権の問題については、データ保持や日本でのサーバー展開などはケースによって異なると説明。「例えば医療のサービスは日本にデータを置くのが必須になるかもしれないが、動画のサービスは違うだろう。All or Nothingではない」とした。

MUFG、村田製作所などと日本のAIインフラ投資についてのトークセッションを行なった