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JALとispace、地球と月を結ぶ「経済圏」構築で合意

HAKUTO-Rにおける協業を記念したJALEC製作のプレート

ispace、JAL、JALエンジニアリング(JALEC)、JALUXの4社は、「将来の月面における持続的な活動を支える輸送システムおよび基盤の構築」を目指し、協業に向けた基本合意書を締結した。地球と月を結ぶ新たな経済圏「シスルナ経済圏」の構築に向け、検討を加速する。

これまでJALは、月面探査レースGoogle Lunar XPRIZEに参加したチーム「HAKUTO」や、日本初の民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」にコーポレートパートナーとして参画。ispaceのランダー(月着陸船)部品やローバー(月面探査車)の航空輸送をはじめ、JALECによる燃料配管の溶接や組立・試験など技術面での支援を行なってきた。

今後は基本合意に基づき、ispaceのランダーやその関連設備に対し、JALとJALECが航空分野で培った整備技術や航空管制、運航管理などの知見を活用。将来の月面生活圏と輸送機の高頻度な離着陸を支えるシステム・基盤構築の共創を進める。

また、JALUXは、JALグループの一般顧客向け宇宙関連サービスに関する新たな協業も検討。ispaceの主力事業である月面輸送サービスにおいてペイロード(荷物)搭載枠の販売連携を検討する。ispaceのランダーによる月面輸送とJALグループの航空知見や顧客ネットワークを掛け合わせることで、多様なステークホルダーに月面輸送の機会を提供していく。

今回の協業は、シスルナ経済圏における月面輸送・運航の社会実装基盤を築く重要な第一歩としており、今後も段階的に取り組みを進める方針。

「シスルナ(cislunar)」とはラテン語で「月のこちら側」という意味の言葉。主に地球の周回軌道から月周回軌道、ラグランジュポイントを含む宇宙領域を指す。