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ミズノ、“移動を楽しむモビリティ”を目指すCFRP板バネシューズ

ミズノは、“移動を楽しむモビリティ”と位置づけるフットギアのコンセプトモデル「MOBILARIA β(モビラリア ベータ)」を、10月30日から開催される「Japan Mobility Show 2025」に出展する。

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)板バネを採用したフットギア。ギアと脚が一体となり、下肢の運動メカニズムを変化させることで、効率的な走行を目指す。

ブレード部に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)板バネを採用し、力が加わる接地時にたわみ、バネ特性を発揮する。このバネ特性に合った走行動作によって、下肢が効率良くパワーを発揮することをMOBILARIA βでは目指している。板バネは、競技用義足の板バネ研究開発で培ったカーボン技術を採用。

アッパー部には、陸上スパイクから着想を得た構造を取り入れている。かかと部分と連動した靴ひもを調整することで、かかとがしっかりとホールドされ、MOBILARIA βと脚が一体となりCFRP板バネを効率的に使えるようになる。

ブレード部に板バネを採用し、アッパー部は陸上スパイクから着想を得た構造を取り入れている

CFRP板バネフットギアの開発は、「はかる」「つくる」「ためす」を高速回転させることができるイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」で行なわれた。施設内でCFRP板バネ型を製作することで、試作工期を約93%短縮、試作開発費も約8分の1で実現した。CFRP板バネを製作するための型作成は、通常の納期目安は28日だが、3Dプリンターを使用することで2日に短縮できたという。

デザインは、空飛ぶ自動車や船舶などのプロダクトデザインを手掛ける、カーデザイナーの山本卓身氏との共創で、モビリティのデザインエッセンスを取り入れている。

デザインは山本卓身氏との共創。モビリティのデザインエッセンスを取り入れた

MOBILARIA βの開発背景として、近年テクノロジーの進化により人間の能力を進化、増強させる技術や考え方「人間拡張(Human Augmentation)」が注目されていることを挙げている。

同社では、人間拡張技術の社会実装に向けて、より速く、より強く、より高くといったパフォーマンス向上を可能にする領域や、自らの身体を使った未来のモビリティ(移動手段)を開発する領域などにチャレンジするとしている。