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マネックス証券、ドコモ提携から2年でdカード積立9倍に

マネックス証券は10月22日、NTTドコモとの資本業務提携から2年を迎えるにあたり、現状の連携サービスの利用動向や成果について説明会を実施した。2025年7月にリリースした「かんたん資産運用」を含む複数のサービスの利用者が増加傾向にあると報告された。

連携サービスの中心にあるのが「dアカウント連携」。証券口座とdアカウントを紐づけることで、取引でdポイントが貯まるなどのメリットがある。この連携により、dアカウント連携口座数が開始当初から約4倍に拡大。新規顧客だけでなく既存顧客にも広がっているという。

「dカード積立」では、ドコモのクレジットカードを利用して投資信託を定期購入できる仕組みが好評で、開始当初から約9倍に利用者が増加。なかでも月額10万円の上限まで積み立てるユーザーがもっとも多く、利用者の3割を占める。カード別では、2024年11月に開始された「dカード PLATINUM」の利用が33%と高い比率を示し、ゴールドは44%、レギュラーカードは21%となっている。

dポイントを活用した投資信託購入も堅調で、利用額の87%がdポイントによるもの。証券口座の稼働率も高く、dアカウント連携済みの口座では65%が実際に取引を行なっている。

また、2025年7月にリリースされた「かんたん資産運用」では、20代・30代の利用比率が全体平均よりも約10ポイント高く、若年層への訴求にも成功している。同サービス経由で開設された証券口座の初回稼働率も高い傾向にあるとし、今後の主力チャネルとなる可能性がある。

NISA口座でもドコモ連携の効果は顕著で、dアカウント連携ユーザーのNISA開設率は62%と、非連携ユーザーの40%を大きく上回る。また、他社からのNISA口座移管では64%がdアカウント連携済みであり、定着率の高さもうかがえる。

一方で、ドコモとの資本業務提携時に掲げた2026年度までに500万口座を新規開設するという目標達成には、まだ道が遠い。2025年9月時点での口座数は約277万にとどまっており、当初の目標と比較してギャップが生じていると説明。質の高いサービスを提供し、着実に口座数を積み上げるとした。

マネックス証券 グロース戦略推進部 田邊湧志氏

なお、2025年10月1日付で住信SBIネット銀行がドコモグループ入りしている。現時点では、マネックス証券と住信SBIネット銀行の間に直接的な提携や連携予定はないが、銀行との連携によるサービス拡充にも意欲をみせた。