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ファミマ「涙目シール」、パン・肉・魚など新キャラ追加 フリー素材化

ファミリーマートの「涙目シール」

ファミリーマートは22日、おむすびや弁当などの値下げ商品に使用している「涙目シール」に新たに4種類のデザインを追加した。あわせて、すべての「涙目デザイン」をフリー素材とし、無償提供を開始。公式サイト内のサステナビリティページで公開している。

既存のおにぎりデザインに加え、新たにパン、肉、魚、ケーキの4種類のイラストを追加。いずれもフリー素材となり、シールだけでなくポスターやポップなど、さまざまな場所での利用を想定している。

涙目デザインは公式サイトからダウンロードできるほか、ファミリーマート店頭のマルチコピー機で印刷も可能。マルチコピー機はシール印刷にも対応しているため、手軽に涙目シールを入手できる。

ファミリーマート店頭の涙目シールは、金額ごとに計7種類(10円、20円、30円、50円、100円、120円、150円)を用意。フリー素材のデザインは金額表記はなく、涙目のイラストと「たすけてください」のメッセージが添えられている。

既存のおにぎりに加え、新たにパン、肉、魚、ケーキの4種類を追加
ファミリーマート店頭のマルチコピー機で印刷も可能
ファミリマート店頭の涙目シールは、金額ごとに計7種類(10円、20円、30円、50円、100円、120円、150円)を用意
フリー素材のデザインは金額表記はなく、涙目のイラストと「たすけてください」のメッセージが添えられている

同社の涙目シールは、24年10月に実証実験を開始。涙目デザインの決定には消費者モニター調査を実施し、さまざまな表情やメッセージが候補にあったという。

「デザイン候補の表情によっては、プロモーションっぽいという声があり、メッセージも『もうすぐ捨てられちゃいます』というものだと直接的すぎるといった声がありました。試行錯誤を経て、現在の涙目デザインと『たすけてください』というメッセージに決定しました」(ファミリーマート サステナビリティ推進部 マーケティング本部 部長 大澤 寛之氏)

涙目デザインの決定には消費者モニター調査を実施
ファミリーマート サステナビリティ推進部 マーケティング本部 部長 大澤 寛之氏

対象となる商品にシールを貼った結果、実験店舗では従来シールと涙目シールで比較して購入率が5ポイント増加したという。25年3月には全国展開が始まり、4月には購入率が10ポイント向上した店舗もあった。

購入者からは「涙目シールが貼ってあると、買ってあげなきゃと心を動かされ、お得なだけでなく廃棄から救えるという喜びに近い感覚もあった」、「今まで値引きの商品を買うのは恥ずかしいと思っていたけど、涙目シールは食品ロス削減に貢献しているという意識で取り組めるので買いやすい」といった声があったという。

実験店舗では従来シールと涙目シールで比較して購入率が5ポイント増加

同社では「ファミマecoビジョン2025」として食品ロス削減を掲げており、店舗の食品廃棄物を2018年比で2030年には50%削減、2050年には80%削減を目標としている。

涙目シール以外にもさまざまな施策で食品ロス削減に取り組んでおり、2025年上半期では2018年比で32%削減を達成。年々食品ロスの削減量は上がっているという。

「ファミマecoビジョン2025」の食品ロス削減項目で、食品廃棄物を2018年比で2030年には50%削減、2050年には80%削減を目標としている
2025年上半期では2018年比で32%削減を達成

フリー素材化 目黒区と提携

ファミリーマート店舗での食品ロス量を削減できていることから、同社は社会全体の食品ロスに着目。現在日本の食品ロス量は年間約464万トンと言われており、「涙目シールを使うことで日本の食品ロス削減に貢献できないか、という思いで今回フリー素材化を決定しました」と大澤氏は話す。

提供開始時点では目黒区との連携が決定しており、区役所職員用のレストランや、天然酵母パン・手工芸店、和菓子屋などで順次導入される。

「フリー素材なので、提携店にかかわらず、さまざまなお店で使ってもらえたらと思います。ファミリーマートのマルチコピー機で印刷するだけでなく、サイトからダウンロードしてシール以外での利用も歓迎しています。涙目デザインが広がり、社会全体で食品ロス削減の動きが浸透することを期待したいです」(大澤氏)

現在日本の食品ロス量は年間約464万トン
目黒区の小売店で涙目シールを導入
おにぎりの涙目シール
パンの涙目シール
肉の涙目シール
魚の涙目シール
ケーキの涙目シール