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G-SHOCK×毒ガエル 奇抜なだけじゃない意外な共通点とは

G-SHOCK MASTER OF G 「FROGMAN」GW-8200TPF

カシオ計算機は、G-SHOCKのダイバーズウォッチ「FROGMAN」(フロッグマン)シリーズの新作として、毒ガエルをモチーフにしたユニークなカラーリングの「GW-8200TPF」を2025年12月に発売した。価格は94,600円。

G-SHOCKのラインナップで度々登場する、毒ガエルがモチーフの刺激的なカラーリング。一度見たら忘れられないこのユニークなデザインは、どういった経緯で企画されたのだろうか。最新作「GW-8200TPF」の開発担当者に、これまでの取り組みや最新作のこだわりを聞いた。

対応していただいたのは、カシオ計算機 開発本部 デザイン開発統轄部 プロダクトデザイン部 アクティブリストデザイン室の正林盛次氏と、営業本部 時計統轄部 ブランドマーケティング部 第1ブランド戦略室の鄭 尹皓氏。

正林氏(左)と鄭氏(右)
GW-8200TPFとモチーフになったミスジヤドクガエル

G-SHOCKの中でも、ダイバーズウォッチ規格を満たす本格的な防水仕様で展開されているのがフロッグマンシリーズ。初代フロッグマン「DW-6300」は、G-SHOCK初号機の発売から10年後の1993年に登場。すでにG-SHOCKが高く評価されていた米国の警察や軍隊での使用をイメージした、高性能モデルとして開発された。

そもそもなぜ“フロッグマン”なのだろうか。フロッグマンには“潜水工作員”という意味があり、特殊部隊・ネイビーシールズの前身になった部隊の愛称ともされる。こうしたハードな使用環境を意識して開発していたこともあり、製品の開発コードネームもずばり「フロッグマン」で、それが製品名に残った形だ。裏蓋には「潜水するカエル」のイラストが刻印され、これはG-SHOCKの裏蓋にキャラクターを刻印する先駆けともなった。

1993年発売の初代フロッグマン「DW-6300」

フロッグマンが実在するカエルの色をモチーフにしたのは、2001年発売の「GW-201-6」が初めて。この年のG-SHOCKでは、見る角度や光の当たり方によって色が変化する偏光塗装(マジョーラカラー)が実用化されており、偏光塗装を前提に企画されたのが「GW-201-6」だったという。怪しさのある独特な見え方にヒントを得て、毒ガエルのコンセプトが生まれた。ただし、当時は“毒ガエルの色”とまではアピールしていなかったとのこと。2009年には、毒ガエルではないものの、アマガエルの鮮やかなグリーンを光沢塗装で表現した「GW-200F」が発売されている。

2001年発売の「GW-201-6」。マジョーラカラーで“毒ガエル”がコンセプトだった

ただ目立つだけでなく、G-SHOCKと毒ガエルのカラーは親和性の高いコンセプトになっているという。

「毒ガエルは、身を“守る”手段として、毒や警告色を進化の中で身につけました。これはG-SHOCKの“プロテクション”に当てはまる部分です。今回のカラーは、都市部で目にする警告色のようにも見えるので採用しました」(鄭氏)。「ひと目見たら忘れられないカラーですし、ニッチなところにも面白みを感じてもらえたらと思います」(正林氏)。

とにかく目立つカエルカラー

南米・アマゾンに生息するミスジヤドクガエルをモチーフにした最新モデル「GW-8200TPF」は、ブラックをベースに蛍光グリーンの縞模様という、非常に目立つカラーリングが特徴。

同じ毒ガエルをモチーフにしたカラーは2023年1月に発売された「GWF-A1000APF」だが、今回の新作とは配色が大きく異なる。

2023年1月発売の「GWF-A1000APF」。ヤドクガエルがモチーフ

「GWF-A1000APFはカーボンとカラーグラスファイバーの積層を使うというテーマがありました。ヤドクガエルの色はたくさん種類があり、当時さまざまな試作をしました。今回のモデルはすんなり決まりましたが、ヤドクガエルのモチーフだけでも、もっといろんなカラーを作れる可能性はあります」(正林氏)。もっとも、こうした特別カラーは矢継ぎ早に投入するのではなく、慎重にリリースしていく方針とのことだ。

近年の“カエルカラー”。左から「GW-200F」(アマガエル)、「GWF-A1000BRT」(ボルネオ・レインボー・トード)、「GWF-A1000APF」(ヤドクガエル)、「MRG-BF1000RG」(ゴライアスガエル)、「GW-8200TPF」(ミスジヤドクガエル)。このうち有毒なのはヤドクガエル種となる

最新モデルに隠された秘密

GW-8200TPFのユニークな蛍光グリーンとブラックの縞模様は生き物を模したリアルな模様になっているほか、初めて採用したという透明飛沫塗装により、表面は凹凸感のある立体的な表現になっているのも特徴。蛍光グリーンは背後の色が透けやすいため、調色から独自に行なわれた。

鮮烈な蛍光グリーンだけでなく表面の凹凸感も特徴
裏蓋の刻印。背中に縞模様がデザインされていたものの、ボンベで見えなくなってしまったとか

バンドの剣先には、蛍光グリーンの三角形の部分に、2つのくぼみがある。ここはカエルの頭部をイメージしたもので、くぼみは目の部分という。

剣先はカエルの頭部をイメージ

さらにベゼルの7時と11時あたりには、2本と3本の、筆がかすれたような表現になっている部分があり、これはカエルの手足の指をイメージした部分とのこと。「誰にも言っていないのですが(笑)、実はそういう意図でデザインしました」(正林氏)。

ベゼルの7時と11時あたりに、カエルの指をイメージしたデザイン

なお、過去の製品と同様に、毒ガエルをモチーフにした今回のGW-8200TPFの生産数は限られている。グローバルでみるとこれから展開する地域もあるため、まだ在庫はある段階だが、レギュラーモデルとは異なる生産体制のため、気になる人は早めにチェックしておいたほうがよさそうだ。

太田 亮三