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ソフトバンク決算、通信料金値上げは「慎重に」 PayPay好調
2025年8月5日 19:14
ソフトバンクは5日、2025年度第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比8%増の1兆6,586億円、営業利益は4%減の2,907億円、純利益は11%減の1,453億円となった。
手数料改定は法令対応などのコスト増によるもの
コンシューマ事業はスマートフォン契約数が3,195万件に拡大。売上高は7,178億円(前年比5%増)、セグメント利益は1,538億円(同1.6%減)となった。
決算説明会では、通信プランの料金改定と契約時の事務手数料改定についても言及。宮川社長は手数料改定について、「セキュリティ対策や本人確認の法令対応、システム維持などのコスト増を踏まえて手数料を改定した」と説明。また、通信料金本体の値上げについては「値上げしたい気持ちはすごくあるが、ユーザーの納得感を重視し、市場動向を見極めながら慎重に判断したい」とした。
PayPayのIPO準備「順調に進んでいる」
ファイナンス事業はPayPayの連結決済取扱高(GMV)が4.5兆円を突破し、売上高913億円(同23%増)、営業利益181億円(同137%増)と大幅な増益となった。PayPay事業に関しては、上場に向けた準備が順調に進行していると述べ「適切なタイミングで情報を開示」するとした。
エンタープライズ事業はソリューション需要が堅調で売上高2,338億円(同8%増)、営業利益488億円(同18%増)と好調。また、三井住友カードとの包括業務提携については5月にAIオペレーターの開発と導入を発表し、三井住友カードコンタクトセンターに寄せられるお問い合わせを24時間365日AIで対応できるよう順次導入予定とした。
メディア・EC事業の営業利益の減益は「一過性」
メディア・EC事業は売上高4,069億円(同2%増)と微増にとどまった。前年同期にLINEヤフーグループで計上された子会社(IPX Corporation、LINE NEXT Corporation、バリューコマース)の支配喪失に伴う利益が剥落したことにより、営業利益は707億円(同26.4%減)となったが、これらの一過性要因を除けば6%増益。
成層圏通信「HAPS」、GPUクラウドサービスの準備も着々と
そのほか、AI分野では、日本語LLM「Sarashina」や法人向けAIエージェント「クリスタル」の事業化を進めており、現在1万枚規模のNVIDIA製のGPUを確保し、社内でフル稼働している状況を説明。「2026年春以降にGPUクラウドサービス(GPU as a Service)の外販を開始予定」と語った。
次世代通信(6G)に向けた取り組みとしては、成層圏通信プラットフォーム「HAPS」の商用化を加速。飛行船型への切り替えにより2026年プレ商用サービスを開始予定とした。











