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広島県、24時間音声対応の「AI行政窓口」実証
2025年6月16日 13:52
広島県はエクレクトと連携し、音声AI技術を活用した「AI行政フロントサービス」の実証実験を6月より開始する。住民からの問い合わせに24時間365日対応するもので、広島県が実施する「ひろしまAIサンドボックス」プロジェクトに採択された取り組み。
広島県を始めとする全国の自治体では、住民からの問い合わせ対応に多くの職員が時間を割いており、特に繁忙期には電話が「つながらない」「たらい回しにされる」といった課題が顕在化している。従来のIVR(自動音声応答)やチャットボットでは複雑な問い合わせへの対応に限界があり、根本的な解決には至っていなかった。
こうした背景から、最新のLLM(大規模言語モデル)を活用した音声AIエージェントによる「AI行政フロントサービス」を構築。人間のような自然な対話能力と問題解決力を兼ね備えたサービスの有用性を、広島県との実証実験で検証する。
音声AIは1.4秒の応答速度で人間と話しているような自然な対話を提供する。また、24時間365日、待ち時間なく住民からの問い合わせに対応し、複雑な行政手続きに関する質問にも文脈を理解して回答。自動解決率60%以上を目標に掲げ、職員の業務負担軽減と住民の満足度向上を目指す。
実証実験は2025年6月から2026年2月までの8カ月間を予定。対象業務は、生活・福祉、防災、健康・医療、子育て・教育など。実験を通じて、自動解決率や住民満足度、職員の負荷軽減効果などを検証し、将来的には全国の自治体への展開も視野に入れる。