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LINEヤフー、情プラ法対応でAI活用の投稿監視を強化
2025年6月2日 08:00
LINEヤフーは5月、「メディア透明性レポート(2024年度版)」を公開し、投稿型プラットフォームにおけるコンテンツモデレーションの実績・運用状況とともに、2025年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)への対応状況を明らかにした。
レポートの対象となったのは、昨年度と同様に「Yahoo!知恵袋」「Yahoo!ファイナンス掲示板」「LINEオープンチャット」「LINE VOOM」「Yahoo!ニュース コメント欄」の5サービス。それぞれの投稿件数、削除件数、AIと人手を組み合わせた監視体制、違反報告の対応状況が詳細に示された。
同レポートでは、情プラ法の施行に先立ち、削除件数の集計方法の見直しや、AIによる自主探知とユーザー通報に基づく削除件数を区別するなど、集計項目を拡充。新制度を見据えた形で実施体制の透明性を高めた内容に刷新された。
情プラ法は、大規模なプラットフォーム事業者等に対して、削除対応の迅速化と運用状況の透明化を目的とした新たな法律。LINEヤフーでは「Yahoo!知恵袋」「Yahoo!ファイナンス掲示板」「LINEオープンチャット」「LINE VOOM」が指定を受けた。今後、指定の日から3カ月以内に総務省に対し必要な届出を行ない、届出の日からこれらのサービスは新たな規律が課される予定。
各サービスの削除状況を見ると、「Yahoo!知恵袋」では、月間平均約551.7万件の投稿のうち、約3.7万件(0.7%)が削除対象となった。削除理由は「荒らし行為・文意不明」(30.2%)、「誹謗中傷等」(25.3%)、「わいせつな内容」(12.1%)が大半を占めた。
「Yahoo!ファイナンス掲示板」では、月間平均約245.1万件の投稿のうち約4万件(1.7%)が削除され、「誹謗中傷、わいせつ情報など」(31.1%)、「商用・宣伝目的」(25.8%)、「カテゴリ違い・スレッド違い」(22.9%)といった投稿が目立った。
「LINEオープンチャット」は、月間平均で約4億5,956.9万件と投稿数が多く、そのうち約58.1万件(0.1%)を削除。「キーワード削除」(41.2%)や「出会いを求める行為」(26.2%)、「ユーザーの安全性に関わる行為」(14%)が主な削除理由となった。
「LINE VOOM」では、月間平均約3,361万件の投稿中、約25.4万件(0.8%)を削除しており、「AI等による削除」が52.2%と最多で、「不快表現/迷惑行為」(31.1%)、「性的な表現」(8%)が続いた。
「Yahoo!ニュース コメント欄」では、月間平均約949.9万件の投稿中、約10.6万件(1.1%)を削除。「AI等による削除」(54%)、「人の目による削除」(46%)といった内容が中心となっている。
