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スマホ新法、12月18日施行へ ガイドライン案を公表
2025年5月16日 11:58
公正取引委員会は15日、グーグルやアップルなどの大手テクノロジー企業等を規制する「スマホソフトウェア競争促進法」(スマホ新法)の運用ガイドライン案を公表した。あわせて同案に関する意見募集を開始している。
同法はスマートフォン関連市場の競争促進を目標とし、24年6月に成立、25年12月までに全面施行される。スマホのOSやブラウザなどは、「社会インフラ」のような重要性を持つ一方で、大手事業者による寡占状態となっており、新規参入による自発的是正は難しい。また、独占禁止法による個別対応では長い時間を要する。新たな枠組みが必要という考えのもと、新法が導入される。3月には、アップルとiTunes株式会社、グーグルの3社が対象企業として指定されており、OS、アプリストア、ブラウザ、検索エンジンなどについて、事業者は法の規定に基づき、禁止事項や遵守事項が課せられる。
今回、公表した政令案では施行日を「12月18日」と記載しているほか、この禁止事項や遵守事項などについてのガイドラインを示している。ガイドラインでは不当に差別的な取り扱いと認定するための注意事項などが記載されている。
例えば、代替アプリストアの提供や利用を「妨げる」行為については、「利用すること自体は認めつつ、他の事業者に合理的でない技術的制約や契約上の条件等を課すこと」などが禁止。また、検索サービスにおける自己優遇の禁止については、正当な理由がないのに、当該指定事業者の商品等を優先的に取り扱うことを禁止しており、注意事項などがガイドラインでまとめられている。
なお、サイバーセキュリティの確保、スマートフォンの利用者情報の保護などの「正当化理由」がある場合は規制の対象外としている。
また、指定事業者となっている、アップルとグーグルは以下の声明を発表している。
Appleは、40年以上にわたって日本で事業を展開しており、イノベーション、雇用創出、競争の原動力であることを誇りに思います。iOSアプリ経済は日本国内だけでも数十万の雇用を支えており、規模の大小を問わずすべてのアプリ開発者に、信頼できるプラットフォーム上でユーザーにリーチできる機会を提供しています。この度の決定により、ユーザーのプライバシー保護と安全の確保に対して私たちと同等のコミットメントを果たしていない他の企業にも、私たちが開発した機能を差し出さざるを得なくなる可能性があることを深く懸念しています。私たちは、スマートフォンソフトウエア競争促進法が日本の消費者の皆さんと、皆さんがiPhoneに期待するユーザー体験にどのような影響を与えるかについて引き続き懸念を有しており、同法の施行に向けて、引き続き日本の公正取引委員会と連携してまいります。
Apple
政令案等を慎重に精査しております。Google は今後も政府および業界関係者と建設的な議論を深めてまいります。