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ローチケ、電子チケット仕様変更で困惑の声 機種変でチケット削除

ローソンチケットは、ローチケ電子チケットアプリにおいて、「電子チケットの不正防止」を目的に利用方法の変更を実施した。4月3日12時30分頃より適用されている。

変更後は、アプリ内で電子チケット表示(ダウンロード)後に「機種変更」や、同一スマホで「アプリの再インストール」をした場合、「チケットの再表示」ができなくなる。公演当日、入場時にダウンロードしたチケットを提示できない場合は一切入場不可としている。

同社では、公演日までに「機種変更」を行なう予定がある場合は、「機種変更後」に電子チケット表示(ダウンロード)を行なうよう呼びかけている。

また、電子チケット表示(ダウンロード)後は、同一スマートフォン端末内での「アプリ再インストール」もしないよう喚起している。

なおローチケ電子アプリは、購入したチケットのダウンロード可能日になると、チケットがアプリに自動で表示される仕様。ダウンロード可能日より後に機種変更予定がある場合は、機種変更前の端末でアプリ自体を開かないよう注意する必要がある。

チケットの再表示に関する問い合わせ先はローソンチケットカスタマーで、公演日時や席種、枚数、操作日時、端末機種、OSなどを詳細に記入する必要がある。ユーザーの状況を把握した後に、再表示設定が行なわれる。

ローチケ電子チケットアプリ画面。チケットは表示開始日(ダウンロード日)に自動で配信される(2024年4月4日時点)
チケットの再表示に関する問い合わせをする場合は、公演日時や席種、枚数、操作日時、端末機種、OSなどを詳細に記入する必要がある

転売とイタチごっこだったローチケ電子

今回の仕様変更発表により、Xのトレンドに「ローチケ」が入るなど、多くのユーザーからの困惑の声が寄せられている。仕様変更の目的は「不正防止」だが、無関係な正規のユーザーの注意事項が増え、チケットの都合で本来全く関係のない「スマホの機種変更」が制限されるなどは納得がいかない部分だろう。

ローチケ電子チケットアプリは元々、チケット購入時に登録した携帯の電話番号と紐づいており、登録した電話番号以外のスマホ端末ではチケットをダウンロードできない仕様だ。

チケットは基本的に転売や他人への譲渡は禁止されているが、他者へチケットを転売したい層がアプリの抜け穴を見つけ、実際にOSによっては他者の端末へ電子チケットをダウンロードさせることができたため、転売されることがあった。

ローチケ電子にはリセール機能もあるが、リセールできる期間は限られており直前に行けなくなった場合は利用できない。また、リセール相手は指定できないため、高額転売を目論み、個人間でチケットをダウンロードできる方法を利用する悪質な事例も存在した。また、そのノウハウなどがSNS上で金銭を伴って共有されることもあった。

ローチケ側もこの状況を把握していたのか、アプリは随時アップデートされ対策をしていたが、転売者もさらにアプリの抜け穴を見つけて他者へチケットを受け渡すというイタチごっこが繰り広げられていた。

今回のアプリの仕様変更は、こうした不正の防止の為の対策と思われるが、結果として正規ユーザーへの負担を伴うものとなっている。

例えば、アプリを開いたら電子チケットが自動でダウンロードされてしまうのに、ダウンロード後に機種変更をするとチケットが表示されなくなるのは使い勝手が良いとは言えない状況だ。チケットダウンロード後から公演日までに、端末が故障しないという保証もない。

機種変更をしてしまいチケットが表示されなくなったユーザーへの措置も用意されているが、チケットのダウンロードは自動ではなく1クッション操作を挟むなど、なにか対策が取られることを期待したい。

今回の変更は「電子チケットの不正防止」が目的と記載されている