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楽天銀行、1500万口座超え 新NISAで証券経由が拡大

楽天銀行は13日、口座数が1,500万を突破したと発表した。2023年12月末には単体預金残高も10兆円を突破し、「メイン口座としての利用が順調に増えている」という。

1月の新NISA開始を前に、楽天証券経由の新規口座獲得が増加。第2四半期よりさらに口座開設が加速しており、銀行証券間のシナジーにより入出金に伴う決済取引が活発化した。第2四半期から第3四半期の比較で45.6%増となった。銀行と証券シナジー強化により、決済件数増加による決済関連収入増が見込まれるほか、楽天銀行の総預金残高の押上効果も大きいという。

2024年第3四半期の経常収益は101億円(前年同期比13.3%増)、経常利益は同23.4%増の35.2億円。口座数は同10.1%増の1,470万(12月末)で、預金残高は同16.6%増の10.3兆円。メイン口座比率は31.4%。

なお、楽天銀行では2024年春にJR東日本と協力して「JRE BANK」を開始。ビューカードが楽天銀行を所属銀行とする銀行代理業の許可を受け、金融サービスに参加する計画だ。

楽天銀行が金融サービスを他社に供給する「BaaS」事業を強化する形になるが、永井啓之社長は、「BaaS事業は、我々単独の銀行事業を超えることはないだろう」とし、BaaS事業は「本当に大きなアセット持っている企業」に限定すると説明した。

「BaaSは、顧客基盤に限界が見えてきた時に、口座数を増やすために取り入れる。しかし、我々は1億の楽天会員がいるので、口座数やお客様を増やすためにBaaSをやる必要はない。では、なぜやるのか? 銀行だけでは持ち得ない、アセットやノウハウを持つ企業と組んで銀行サービスを提供することで、新しい顧客体験を生み出す。例えばJR東日本の鉄道事業や沿線開発のノウハウ、そういうものは、楽天銀行には逆立ちしてもできない。それらと組み合わせて、価値があるものを作れるのではないのか。アセットやノウハウを持ち、我々のコンセプトを理解していただける企業としっかり組んでいく。数を追うつもりはない」と言及した。