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明治公園にアウトドア遊具レンタルやサウナ 遊んだ後にととのう

国立競技場や明治神宮外苑等に近接する「都立明治公園」内に、遊具のレンタルも行なうアウトドアショップや飲食店が1月31日、サウナやフィットネススペースを備えた都市型スパが3月下旬に開業する。ショップ開業に先立ち、内覧会が実施された。

明治公園では、東京都として初めて「Park-PFI」を活用する形で整備が進められており、東京建物を代表構成団体とし、三井物産、日本工営都市空間、西武造園、読売広告社、日テレ アックスオンを構成員とするコンソーシアムが設立したTokyo Legacy Parks(TLP)が店舗等の運営を担う。また明治公園では店舗開業に先立ち、'23年10月31日に希望の広場、インクルーシブ広場、誇りの杜等が開園した。

TLP取締役の黒田敏氏によれば、公園の中で遊ぶ人に向けたグッズレンタルサービスを提供し、また遊んだ後にスパでリラクゼーション、その後に食事をするといった形で楽しんでもらうことを狙いとしている。これを実現するため、各店舗と意思疎通をしながら構築したという。

TLP取締役 黒田敏氏

1月31日に開業する店舗は、アウトドアアクティビティショップ「PLAY EARTH PARK WONDER STORE」(C棟)、カフェ「スターバックス コーヒー」(B棟)、カフェレストラン「BLUE SIX COFFEE」(D棟)、レストラン「natuRe tokyo(ナチュールトーキョー)」(E棟)。

公園内の配置
左手前がインクルーシブ広場。右手前がPLAY EARTH PARK WONDER STORE(C棟)、右奥がナチュールトーキョー(E棟)、左奥がBLUE SIX COFFEE(D棟)。C棟とE棟の間には誇りの杜が広がる。広場とD棟の間にある建物はトイレ棟
手前は希望の広場。右奥がスパ等が入るA棟、左奥がスターバックス コーヒー(B棟)

PLAY EARTH PARK WONDER STOREはゴールドウインによる新業態で、物販のほか、公園で使うためのキャンプチェア・テーブル、遊具等のレンタルサービスを提供する。レンタルは2時間もしくは終日の設定で、料金アイテムにより、2時間330円・終日660円、2時間550円・終日1,100円など。

PLAY EARTH PARK WONDER STORE外観
レンタルサービスのコーナー。キャンプチェアやテーブル、遊具などを取り揃える
遊具のレンタルは「NEUTRALWORKS.NOTOHIBA/ FRESCOBALL RACKET」(手前の四角いカゴの右側)や「NEUTRALWORKS.NOTOHIBA/ STICK AND SKITTLES」(奥の上段のスティック)などを取り扱う。写真は販売商品の展示
レンタル用の「CAKE Tripp キックバイク」。対象年齢1歳半から4歳
店舗1階
2階ではキッズ商品を展開する

スターバックス コーヒーは2階建てで、1階はイスを動かせる設計、2階はローソファを設置して寛げる作りにしている。1階の設計はフレキシブルなレイアウトを可能にするためで、近隣に国立競技場などがあることから、イベント終了後などの利用に対応できるようにしている。2階には公園内の自然を楽しめるテラス席も用意する。

スターバックス コーヒー外観
1階
2階
テラス席。国立競技場が見える

BLUE SIX COFFEEはオンラインで展開している、希少な豆を使用したスペシャリティコーヒーショップの実店舗。健康をテーマに、コーヒーやケーキ、軽食のほか、サプリやプロテインなども販売する。イートイン商品とテイクアウト商品を取り扱う。

BLUE SIX COFFEE外観
1階
ケーキなどを販売
コーヒーのほかサプリやプロテインなども取り揃える
食事メニュー
2階のイートインスペース

ナチュールトーキョーは自然派ビストロレストラン。アメリカ・ハワイ州の「natuRe waikiki」が「natuRe tokyo」として日本に初上陸する。日本人女性シェフ小川苗氏総監修のもと、コース料理、アラカルトメニュー、ナチュールワイン、日本酒、クラフトジンなどを用意する。2階には個室および半個室、1階にはテラス席を設置する。取材時は工事中で、内装は見られなかった。

ナチュールトーキョー

都市型スパの新ブランド「TOTOPA」1号店

3月下旬の開業に向けて工事が進められているA棟の2階と3階には、東京建物と東京建物リゾートが立ち上げた都市型スパブランド「TOTOPA」1号店がオープンする。

TOTOPA1号店がオープンするA棟
TOTOPAキービジュアル

TOTOPAは、1999年以来東京建物グループがスーパー銭湯「おふろの王様」の運営により培ってきたノウハウを生かし、都心部を中心にコンパクトかつユニークなリラクゼーション体験ができる施設として開発・運営する。

TOTOPA 都立明治公園店では、サウナや水風呂、浴室に加え、フィットネススペース等を設置。運動×リラクゼーションにより心身のリフレッシュを促す新しい形のスパ体験を提供するとしている。2階が女性用フロア、3階が男性用フロア。

女性用フロアでは、薬草スチームに包まれながら、乾燥による肌や髪へのダメージを抑制し、デトックスができる蒸し湯体験を提供。館内着を着用して体験する。そのほか、サウナ、水風呂、お風呂を備える。なお館内着は、ゴールドウインのブランド「NEUTRALWORKS.」が製作。

蒸し湯
女性用フロアの更衣室・パウダールーム

男性用フロアでは、3つのサウナ空間、水深約160cmの水風呂を含む2種類の水風呂、外気浴を中心とした3つの休憩スペースを設置し、18通りの「ととのい」体験を実現するとしている。

男性サウナ室
水深約160cmの水風呂
浴室

サウナ・蒸し湯については、クリエイティブサウナ集団TTNEとの共同開発によるもので、ユニークな体験設計を行なっているという。また両フロアに共通して、ランニングステーションやミニマルなフィットネス空間を設置する。

フィットネススペース

面積は女性用フロアが461.25m2(139.52坪)、男性用フロアが434.48m2(131.43坪)。曜日によって女性用と男性用を入れ替えることも検討する。来園者の利用のほか、近隣でランニングを楽しむ人や、周辺施設等への来街者の利用も想定している。

新ブランド開発の背景には、温浴施設・サウナ施設の運営形態やニーズの多様化がある。昨今の多様なニーズに応えるため、都心部でのコンパクトなスパの開発を進めるべく、既存ブランド「おふろの王様」と異なるブランドを構築した。

名称は「ととのえる」+「SPA」から「TOTOPA」に決定。ブランドクリエイティブはTerrainのMax Houtzager(マックスハウゼガ)氏および遠藤幸氏によるプロデュースで、銭湯の壁面絵画に多用される色を抽出したカラースキームを用いている。

TOTOPAロゴ
TOTOPA カラーバリエーション

A棟の1階では複合型フードコート「Meiji Park Market」を展開。ベーカリー「Parklet」と、そのカフェ部門がスピンオフした「Parklet Kiosk」、バターミルクフライドチキン専門店「Baby J's」の3店舗が出店する。

写真はParklet 日本橋
Baby J'sのバターミルクフライドチキンサンド

明治公園グランドオープニングイベントとして、1月31日から2月12日までの期間、茅葺職人の相良育弥氏が代表を務める株式会社くさかんむりの協力のもと、日本での生活に欠かせなかった素材である藁や竹など自然の素材を使用した遊具を、希望の広場にて展開する。藁を使ってつくる枕や、いぐさを使ってつくるビンかごのワークショップなど、自然の素材に触れながらのものづくり体験も提供する。

藁や竹などを使用した遊具を設置

そのほか公園内には、AIカメラを内蔵したスマートポールを5本設置。来園者数や属性などを測定し、イベント時の来園者予測等の情報を飲食店に提供するなどして、必要な食材の準備等に向けたサポートに活用する。

スマートポール

明治公園の所在地は、東京都新宿区霞ヶ丘町地内、渋谷区神宮前二丁目地内。敷地面積は16,179m2

位置図
青山通り方面から見た明治公園の様子。右の建物はA棟