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神宮再開発 ラグビー場・ホテル併設野球場が'24年度着工

東京都は、神宮外苑地区再開発事業の施行を2月17日に認可する。ラグビー場棟、ホテル併設野球場棟、複合棟などが建設される。

事業名称は「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」。ラグビー場や野球場など地区内のスポーツ施設の建替えを促進し、国立競技場とも連携しながら国内外から多くの人が訪れるスポーツ拠点を整備する。地区面積は約17.5ha。

位置図

青山通り等の沿道には、業務、商業、文化、交流等の都市機能を導入。魅力ある複合市街地の形成を図る。

延べ面積は約565,000m2。ラグビー場棟、ホテル併設野球場棟、複合棟A・B・C、事務所棟、文化交流施設棟を開発する。

配置図

ラグビー場棟の規模は、地上7階・地下1階・高さ約55m。施設用途はラグビー場、店舗、文化交流施設、駐車場等。

ラグビー場棟 断面

ホテル併設野球場棟の規模は、地上14階・地下1階・高さ約60m。施設用途は野球場諸室、観客席、宿泊施設、ロビー、駐車場等。

複合棟、事務所棟、文化交流施設棟の施設用途は、事務所、店舗、ロビー、多目的室、サービスアパートメント、室内球技場、駐車場等。複合棟A・B・C規模はそれぞれ、地上40階・地下2階・約185m、地上18階・地下1階・約80m、地上2階・約10m。事務所棟は地上38階・地下5階・約190m、文化交流施設棟は地上1階・約6m。

複合棟A・ホテル併設野球場棟 断面
複合棟B・広場7号・文化交流施設棟 断面
事務所棟 断面

歩行者ネットワークの整備も推進。地区内と地下鉄外苑前駅を結ぶ地下通路等や不足している東西方向の歩行者動線を整備する。また、一部にはデッキを設けて園内の歩車分離を図り、歩行者の利便性、安全性、回遊性を確保する。

老朽化したスポーツ施設等の更新と都市計画公園の再編整備が広域避難場所にふさわしい防災性向上にもつながるとしており、また省エネ技術の積極的な導入等を検討する。

施行地区は東京都新宿区霞ヶ丘町、港区北青山一丁目、港区北青山二丁目各地内。施行者は三井不動産、明治神宮、都市再生機構、伊藤忠商事。'24年度着工、'35年竣工の計画。総事業費は約3,490億円。

いちょう並木を中心に「みどりの散策路」を整備

三井不動産によれば、神宮外苑地区の4列のいちょう並木を始めとしたみどりの保存・継承と、新たな樹林地の創造により、地区を南北に貫く「みどりの散策路」を2028年以降に整備。また、広場や緑地などのオープンスペースを整備し、地区内の歩行者の回遊性向上、イベントによるにぎわい醸成、広域避難場所としての活用による防災性向上を図る。

みどりの整備計画。聖徳記念絵画館前のエリアは今回の事業の施行認可範囲および東京都環境影響評価の対象には含まれない
中央広場整備イメージパース

スポーツ施設の建替えについては、競技の継続に配慮しながら段階的に進行。にぎわいを形成する施設とあわせて、次の100年に繋がる国際的な文化とスポーツの拠点として整備する。

今後は、3月下旬にラグビー場棟の建設予定エリアである明治神宮第二球場の解体工事着手を予定。その後、'36年予定の全体完成に向けてエリアごとに順次施設整備を行なう。なおラグビー場棟の施行について、秩父宮ラグビー場を管理・運営する日本スポーツ振興センターが、都市再生機構に要請した。

将来的には、タウンマネジメントの役割を担う団体の設立を検討しており、準備組織を設置。春以降、同組織を通じて、市民参加型のイベントなどの活動に取り組む。また、市民参加型イベント等を含め、プロジェクトの推進にあたっては、約100年前に明治神宮外苑の創建にあたって尽力した渋沢栄一が初代会頭を務めた東京商工会議所等の協力も得ながら、スポーツを核とした神宮外苑地区の新たな100年に向けて活動に取り組むとしている。