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G-SHOCK 初代フロッグマンにレストアサービス

カシオ計算機は、「G-SHOCK」のダイバーズウォッチで1993年に発売された初代「FROGMAN」(フロッグマン)を対象に、レストアサービスを実施する。受付期間は8月29日~11月30日まで。専用Webサイトにて受け付ける。料金は24,200円。

レストアサービスの内容は、ベゼル、バンド、電池の交換と、防水検査。対象モデルは「DW-6300-1A」「DW-6300-1C」「DW-6300-9」「DW-6300B-8」「DW-6300B-2」で、1993年に発売されたフロッグマンの初号機。

対象モデル

カシオは2018年と2021年の2回、合計8モデルのレストアサービスを実施している。その際のアンケート調査で特に要望が多かったという初代フロッグマンについて、発売30周年を機にレストアサービスが実施されることになった。レストア後は特別デザインのパッケージで返却される。返送までの期間は1カ月程度を見込むが、申込みが集中した場合は3カ月程度にまで伸びる可能性があるとしている。

返却時の特別パッケージ
外装レストア後のDW-6300

レストアサービスで提供されるベゼルとバンドのカラーは、ブラック(DW-6300-1Aの仕様)のみ。元のモデルがイエローなどカラーバリエーションモデルであってもブラックに交換されるため、あらかじめ了承しておく必要がある。またパーツが新規に製造され素材が異なるなどの理由から、オリジナルと同一のカラーにはならず、濃いめのブラックになる。レストア作業で外したパーツは基本的に返却されないが、形状が維持できる状態の場合は、相談することでユーザーに返却する対応も可能としている。風防はこれまでのレストアサービス同様に交換の対象外だが、作業時にクリーニングされる。

左が発売当時のベゼルパーツ、右がレストア後

このほか、元のモデルが備えるダイバーズウォッチとしての200m潜水用防水機能は、レストア後は保証対象外になる。これはレストアサービスにおける防水検査が空気圧による検査になるため。モジュールには部品メーカーでの製造が終了しているパーツが一部に使われており、万が一検査で浸水するなどしてモジュールが破損すると修復できないことから、防水検査は空気圧で実施される。

改造したものはレストアサービスの受付対象外。レストアサービスを受けた製品は、交換したパーツについて6カ月間のメーカー保証が付く。

リバースエンジニアリングで新規製造

G-SHOCKのレストアサービス第1弾となる2018年は、金型不要の光成形でパーツを製造。2021年の第2弾は簡易金型でコストを抑えながら生産量を増やせる形にしていた。一方、第3弾の今回はリバースエンジニアリングの手法を採用し、製法は量産と同じ鋼材金型を用いる。

リバースエンジニアリングを採用した理由は、これまでレストアを実施してきたモデルよりも形状が立体的で複雑なため。発売当時の部品を精密に3Dスキャンしデータを作成した上で、当時の2Dの図面からも3Dデータを作成し、両者を比較・検証して最適な形になるよう調整している。ベゼルの右側にある「LIGHT」などの文字は当時のデザイナーによる手製のフォントため、こちらも解析して作成しなおし、3Dデータに落とし込んでいる。バンドについてもベゼル同様に設計しなおして製造されている。

リバースエンジニアリングにより新規に製造。3Dスキャンデータと、図面から3D化したデータの両方を活用する
レストアサービスの企画や作業を担当するカシオテクノ 東日本リペアセンターの多田稔氏(左)、同センター長の松崎友紀氏(中央)、カシオ計算機 開発本部の難波和哉氏(右)

レストア作業の様子

ベゼルパーツを外した後、裏蓋を外しパッキンや電池を外していく
ケースから取り出されたモジュールやパッキン、ボタンパーツなど
レストアサービスの新しいベゼルパーツにケースを収める
ボタンを取り付け、モジュールを戻していく
裏蓋を閉じて本体のパーツ換装が完了
バンドを取り付ければ交換作業は完了