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オフィスで立ったまま寝る仮眠ボックス 仕事に素早く復帰

広葉樹合板は、オフィスなどで立ったまま寝る仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」を発表した。近未来をイメージした「スペーシア(SPACIA)」と森の中をイメージした「フォレスト(FOREST)」の2つのラインナップを用意し、発売は12月末~'24年1月を予定。価格は未定だが、300万円前後を想定している。

疲労や眠気を感じた際に立ったままひと休みできる仮眠ボックス。「頭・お尻・すね・足裏」の4カ所のみを支え、この4点を固定すると、どんなに脱力してもリラックスできる立ち寝姿勢のキープが可能としている。昇降スイッチを搭載し、お尻やアームパッドの高さを調整できるため、理想のポジションを誰でも実現可能。

新たな休憩の在り方として、オフィスなどで立ったまま仮眠できる空間を提供。短時間の仮眠をとることでリフレッシュでき、疲労回復やストレス軽減、記憶力や集中力の回復、創造力の向上などパフォーマンス向上に役立つとする。

昇降スイッチを搭載し、お尻やアームパッドの高さを調整可能
使用方法

立ったまま寝た場合の仮眠効果も実証した。北海道大学と台湾の国立成功大学との共同研究によると、ジラフナップで立ったまま寝ると、睡眠段階2に到達することが判明。睡眠段階2は軽い寝息をたてる程度の睡眠状態で、脳のリフレッシュや情報処理、認知能力の回復などの効果が期待できる。

また、ジラフナップでの仮眠は、睡眠段階2の状態を30分以上継続することを実証。仮眠の効果を実感しつつ熟睡しすぎないため、頭がぼーっとすることなく仕事に素早く復帰できるという。

ジラフナップで立ったまま寝ると、睡眠段階2の状態が継続する

本体は小型の公衆電話ボックスほどのサイズで、ベッドと比較すると半分のスペースで仮眠環境を導入可能。省スペースでオフィスに仮眠環境を確保できる。

デザインについて、広葉樹合板 最高技術責任者 菊地 文貴氏は、「スペーシアは近未来のイメージで洗練されたデザインにしました。十二面体のユニークな形状とシンプルなカラーリングがさまざまな場所にフィットします。フォレストは日本庭園のようなあたたかみのあるデザインで、和の空間に調和するように仕上げました」と話す。

小型の公衆電話ボックスほどのサイズ
左から、スペーシア、フォレスト

同製品は、北海道の北洋銀行が主催する商談会「知財ビジネスマッチング」をきっかけに開発。同商談会は大企業などが保有する「開放特許」を、道内の中小企業に紹介して新事業の展開などを後押しするもので、イトーキと広葉樹合板がマッチングし、個別商談につながった。イトーキが所有する開放特許「人体収納用構造体及び睡眠用筐体」について、広葉樹合板がライセンス契約し、商品開発に至った。

今後は、オフィスや空港、駅構内など体験機会の創出を目指す。第1弾として「ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿」でのコラボが決定し、8月22日から体験可能。

「ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿」で体験可能