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築58年の「国立富士見台団地」建替え 589戸のマンションに

完成予想イメージ

野村不動産、東京建物らは、東京 国立市の「国立富士見台団地マンション建替え事業」において、権利変換計画の認可を国立市から受けたことを発表した。地上5階建て、総戸数298戸の団地が、地上8階建て、総戸数589戸(予定)のマンションへと生まれ変わる。2026年度竣工予定。

国立富士見台団地マンション建替組合と、参加組合員として参画している野村不動産、東京建物、URリンケージが発表した。

国立富士見台団地は1965年(昭和40年)に竣工した地上5階建て、総戸数298戸の建物。築後58年が経ち、建物の老朽化やガス、上下水道、電気といったインフラの劣化、バリアフリー基準への不適合など様々な問題から、'14年頃から管理組合内で建替えの検討が開始された。その後、'18年5月に建替え推進決議を可決、'19年1月には事業協力者の選定を行ない、本格的な建替え検討を進めていた。

現地写真

'22年4月に一括建替え決議が成立し、同年11月に建替組合が設立され、今回の権利変換計画の認可に至った。現在は解体工事に着手している。

同事業は、老朽化が進み、維持修繕が困難なマンションに対し、マンション再生の円滑化を促進することを目的とした「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」によるマンション建替え事業。国立市では初となる。

また、建替えを通じた南北通路の再整備、地域貢献施設の整備、緑化計画などによる地域の快適性向上、地域の街並み整備に寄与する計画であることが認められたことから、国立市の建築物の高さの最高限度の緩和を受けられる制度が適用された。一般基準の19mから特例基準の25mへ最高高さが緩和されたことを受け、高さ緩和を活かした建物計画により生み出される空地を利用した緑化空間や歩行空間を拡充し、暮らしやすく緑豊かな住環境づくりを目指す。

完成予想イメージ

緑化計画については、団地内の既存の雑木林であるコナラやクヌギ等の樹種を交え植えるスペースをつくり、緑地を整備。野鳥や昆虫の好む樹種などを選定し、多様な生態系をつくり出せる緑化空間を目指す。

通路については、周辺住民の通学路や生活路として利用されていた南北通り抜け通路を、車道と分離させた歩行者通路として再整備。国立市や武蔵野の在来とされる樹種を交えた植栽、通路沿いへの公開空地スペース設置も計画している。

所在地は東京都国立市富士見台1-28-1。アクセスはJR中央線 国立駅バス3分・徒歩4分、JR南武線 谷保駅徒歩9分。建替え前の敷地面積は27,371.19m2、延床面積は17,106.98m2。建替え後には敷地面積27,479.58m2、延床面積47,811.1m2となる。本体工事着工は'24年春を予定。