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LINE Bank開業を断念。LINEとみずほ「期待に沿うサービスが見通せない」

LINE Bankの構想を発表したLINEとみずほFG(2018年11月撮影)

LINEとみずほフィナンシャルグループは30日、設立に向けて準備してきた“スマホ銀行”「LINE Bank」の開業に向けたプロジェクトを中止すると発表した。

断念の理由については、「金融DXの進展や、提供サービスの安全性への関心の高まりなどを踏まえ、両社で検討した結果、安全・安心で利便性の高いサービス提供には、更なる時間と追加投資が必要であり、期待に沿うサービスのスムーズな提供が、現時点では見通せないとの両社見解に至った」としている。

LINE Bankは、LINEのユーザー基盤やUIを活かした新たなスマホ銀行を目指して、2018年11月にLINEとみずほFGが設立を表明。LINE Financialとみずほ銀行の共同出資により、2019年5月にLINE Bank設立準備株式会社を設立、2020年度の開業を目指し、延期をはさみながらも2022年度('23年3月まで)の開業を予定していた。

みずほFGは、LINEのユーザー基盤を活かした若年層の開拓に期待を寄せていた。9,400万のLINEユーザーに向け、LINEアプリ上で全ての銀行サービスが完結する“スマホ銀行”を目指していたが、LINEは2019年10月にヤフーの親会社であるZホールディングスと経営統合。2023年度中にヤフーとLINE、ZHDの合併を予定しているなど、LINE Bankの構想発表時から経営体制が大きく変化し、グループにはPayPay銀行も抱えている。4年以上準備してきたLINE Bankへの取り組みは終了する。

今後、LINE Bank設立準備株式会社の解散・清算手続を進める。