ニュース

高効率・大電力なEV用ワイヤレス給電装置 DNPらが開発

大日本印刷(DNP)と島田理化工業は、EV用ワイヤレス給電の実用化に向けて、実証実験装置を共同開発した。DNPのシート型コイルや島田理化のPWM(Pulse Width Modulation)制御インバータなど、両社が強みとする技術・製品により、実証実験装置を提供することで、次世代インフラとしてのEV用ワイヤレス給電システムの社会実装に貢献する。

実装実験装置は、地上に設置するPWM制御インバータと、路面に設置するシート型コイルユニットで構成。

PWM制御インバータは、島田理化が誘導加熱装置で長年培ったインバータ技術と、独自開発したデジタルPWM制御により、高効率で省エネルギーな大電力の給電が可能。出力11.1kWのインバータユニットを4台内蔵し、複数車両への個別または同時の給電や、1車両への複数コイル同時給電に対応する。

DNPが独自開発したシート型コイルにより、米国自動車技術会(SAE)が定める規格(WPT3:11.1kW)に準拠した薄型・軽量かつ漏洩磁界を抑えた給電が可能。コイルと給電ケーブルの接合回路を最適化し、最大ケーブル長30mでの給電を実現し、多様な設置レイアウトに対応できる。

トラックヤードで荷役作業中のEVトラックへの給電
タクシープールで待機中のEVタクシーへの給電

今後はEV関連企業に対して実証実験の実施を促進。仕様変更などの個別相談にも対応する。