ニュース

インボイス対応で「Bill One」が急成長 Sansan決算

Sansanは13日、2023年5月期 第2四半期決算を発表した。第2四半期までの6カ月の売上高は前年同期比23.5%増の118億2,400万円、営業利益は6,500万円で黒字化した。ARR(年間固定収入)は前年同期比22.5増の219億円

大きな伸びを示したのが、インボイス管理サービスの「Bill One」で、売上高は前年同期比276.2%増の8億9,800万円、2022年11月時点のARRは21億2,400万円と20億円を突破。「サービス開始から2年半でARR 20億円を超える規模に成長した。この成長スピードはBtoBのSaaSで最速レベル(Sansan 橋本宗之CFO)」とした。

BillOneは、請求書をオンラインで受領可能にし、正確なデータ化により請求書業務のDX化を図るサービス。10月にスタートするインボイス制度や改正電子帳簿保存法など、様々な法改正へのスムーズな対応とともに、月次決算の早期化などを図れる。

こうした法令対応を見越した導入拡大を進めるとともに、営業DX/法人向け名刺管理サービスの「Sansan」の顧客基盤を活用することで、特に中堅・大規模企業からの導入が進んでいるという。ここを強みにBillOneとSansanの双方を強化していく。

2023年5月期末のARR目標は30億円以上。なお、2022年末に出された政府の「税制改正大綱」では、インボイス制度についての修正も行なわれたが、「インボイス制度で課題が生じているのは特に中小企業の対応。中堅・大企業が中心の我々には大きな影響はないと考えている」(橋本CFO)とした。

個人向けの名刺管理サービス「Eight」は伸び悩んでいるが、法人向けのSansanは堅調で、営業リソースを大企業に振って拡大を図る方針。1人あたりや1社あたりの利用数はコロナ禍以前の水準には戻っていないが、採用企業の増加により売上を伸ばしている。今後もリモートワークの常態化を念頭に事業強化を目指す。