ニュース

Sansan×リコー、インボイスに向けた中小企業DXで提携

Sansanとリコーは、中堅・中小企業の経理業務のデジタル化と、10月に開始されるインボイス制度などの法対応の推進を目的とした業務提携に合意。Sansanのインボイス管理サービス「Bill One」をベースにリコーと共同企画した新サービス「Bill One for RICOH」を、4月中旬頃から提供開始する。

Bill Oneは、大手企業向けとして開始したサービスだが、中小企業が導入しやすいオリジナルプランとしてサービスを展開。リコーのクラウドサービス群「トレード帳票DXシリーズ」の一商品としてラインアップする。

中堅・中小企業では、大手企業と比較して人員や費用を確保できず、DX対応に遅れが生じている。電子帳簿保存法が2022年4月に施行され、インボイス制度の導入も本年10月に予定されるなど、国税関係の書類に関する法改正が相次いでいるが、電子帳簿保存法への対応状況は、大手企業の8割が対応済なのに対して、中小企業は4割に留まっている。

従来の紙による請求書の処理では、その処理のために出社が必要で、書類確認時に発生するヒューマンエラーなどのほか、インボイス制度に対応するための煩雑なやりとりが発生して効率が悪化する。Bill Oneは、電子データや郵送の紙で送られてくるさまざまな形式の請求書を、クラウド上で一元管理して処理を行なうサービスで、電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応。これまでのアナログな作業フローをDX化することで、企業における請求書の業務フローをDX化する。紙の請求書の読み取りには名刺管理アプリで培ったノウハウを組み込んでいる。

オフィスサービス事業を強化するリコー

リコーは、2016年度には56%が複合機やプリンタなどのオフィスプリンティング事業、38%がオフィスサービス事業という割合だったが、2021年度にはオフィスプリンティング事業は44%に縮小。オフィスサービス事業は48%に拡大し、売上高も1.3倍になった。今後も同事業を強化していく方針。

リコーの「トレード帳票DXシリーズ」は、商取引の様々な業務プロセスをデジタル化するためのデジタルサービス群の総称。今回の業務提携では、「RICOH 受領請求書サービス」「RICOH 受領納品書サービス」や「MakeLeaps(メイクリープス)」などのラインナップに「Bill One for RICOH」を加えることで、提供価値の幅を拡大。顧客の業務内容に合わせた提案を行なっていく。

今後は、トレード帳票DXシリーズ製品との連携により、リコーの共創プラットフォーム「RICOH Smart Integration(RSI)」上でのデジタルデータの活用など、継続的な機能の拡充や販売体制の強化について両社で検討を進めていく方針。2025年には経理業務DX領域で150億円の創出を目指す。