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メタバースに「デジタル登記所」 データの権利管理を明確化

JCB、JP GAMES、富士通の3社は、メタバースやゲーム世界におけるデジタルデータの安全な流通・販売に向けた共同プロジェクトを8月23日から1年間実施する。デジタルデータの発行や所有などの権利管理の明確化をデジタル署名技術「ハッシュチェーン型集約署名」の応用によって実現するモデルをつくり、検証する。

デジタルデータの権利関係を明確化し、だれもが安全・安心に活用できるモデルの実現に向けた共同プロジェクト。JCB、JP GAMESが共同で提供するメタバース基盤に、富士通独自のデジタル署名技術を組み合わせて構築し、以下の4点を検討する。

  • メタバースやゲーム世界で発行されたデジタルデータに対し、デジタル署名を発行・検証可能とする「デジタル登記所」に関するビジネスモデル
  • JCBの提供する本人確認機能および決済機能と連携し、取引で発生し得る不利益からユーザーを保護する技術
  • 富士通独自のデジタル署名技術を用いた、未成年や高齢者なども安全・安心に利用できる機能の実装
  • 将来的に、既存のNFT市場などとの接続を可能とするインターオペラビリティ確保

本モデルは、JCBにてビジネスモデル特許(特願2022-015805)として出願済み。

具体的に、JCBは、同社が保有する決済基盤・ID認証基盤に基づいた決済機能・トラスト情報の提供、取引の信頼性確保に関する新たなサービスモデルを提供。

JP GAMESは、メタバース空間構築技術フレーム「PEGASUS WORLD KIT」で構築するマルチバース、およびリアルとバーチャル間を越境するユーザーの情報を持ち運ぶパスポートをJCBと共同で開発。

富士通はデジタル署名技術「ハッシュチェーン型集約署名」および、ID認証基盤やサービスと連携して本人確認を効率化する透過的トラスト技術を提供する。ハッシュチェーン型集約署名は、現在の所有者と次の所有者など、複数人の真正性と署名の順番、データの非改ざん性を同時に保証するデジタル署名技術。

プロジェクトで検討するモデルは、JP GAMESが開発中のコンソールゲームにも活用予定。また、メタバースにおけるデジタルデータの権利関係だけでなく、取引やデジタルデータそのものの信頼性の担保、公証性・監査性の付加も実現するという。