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歩き旅スポットの歴史を知ってポイントも貯まるアプリ「膝栗毛」

三菱地所は、株式会社膝栗毛を設立し、JTBコミュニケーションデザインと共同で、新しい歩き旅体験を促進するアプリ「膝栗毛 | HIZAKURIGE」(膝栗毛アプリ)の提供を開始した。

膝栗毛アプリは、「身近なまちの、何気ない道を、エンターテイメントに」をコンセプトとした、歩き旅を楽しむためのコンテンツを提供するもの。ユーザーは、マッピングされたルートを歩きながら、固有の歴史や郷土文化などの情報を見たり、GPS連動型音声ガイドを聞いたりすることができる。また、提携店舗「膝栗毛店舗」の情報も掲載されている。

サービス開始時に提供する歩き旅ルートの第1弾として、江戸時代に整備された五街道の1つである東海道のうち、日本橋~三島、京都~草津の13区間でコンテンツを提供する。今後は東海道五十三次にて拡大を進めるほか、他の街道やエリアへの拡大も計画している。なお発表会が品川宿エリアにて実施され、体験もできたことから、このエリアの例を中心にレポートする。

膝栗毛アプリで提供される機能は、「膝栗毛マガジン」「音声ガイド」「チェックイン」「膝栗毛茶屋」の4つ。いずれもアプリ内の「膝栗毛」から「膝栗毛をスタート」し、出発地と目的地を決定すると表示される、マップ上のアイコンから利用できる。4つのうち膝栗毛マガジンと膝栗毛茶屋は、スタートしなくても閲覧可能。

(左から)アプリ画面下部の「膝栗毛」から「膝栗毛をスタート」をタップした後、出発地と目的地の設定すると、スポットに近づいた際に案内が表示される

膝栗毛マガジンは、歩き旅ルート上にある東海道の歴史やグルメ、観光スポットをまとめたオリジナルマガジン。現地で歩きながらスポットの情報を見ることができるほか、出かける前の情報収集にも活用できる。

膝栗毛マガジン

音声ガイドは、マッピングされた場所に行くと聞くことができる音声ナレーション。写真スライドとともに音声が流れるほか、テキスト表示への切替も可能。各スポットの歴史や文化などを学べる。なお対象のスポットに近づいた際には通知が届く。

(左から)対象のスポットに近づいた際の通知、「音声ガイドを再生」でナレーションが始まる、テキスト表示への切替も可能

チェックインは、歩き旅のルート上にある寺や城、石碑やお店などをアプリから写真を撮影し、アプリ上でチェックインできる機能。音声ガイド同様、対象スポットに近づくと通知が届く。

チェックインするとポイントが付与される。現段階では記録を残すための機能としての提供だが、今後は貯まったポイントを提携店舗で利用したり、アイテムと交換できる機能の実装を予定している。

(左から)対象のスポットの膝栗毛マガジン画面にチェックインできることが表示され、膝栗毛アプリで写真を撮って登録、チェックインポイントが付与される。チェックイン履歴の確認も可能

膝栗毛茶屋では、各宿場町に用意された膝栗毛と連携する茶屋を紹介。現在は14カ所の膝栗毛茶屋を用意し、今後拡大を予定している。旅人と地元の人との交流が生まれることを目的としているほか、イベントなどにより同じ目的を持った旅人同士の交流が生まれる企画も計画している。

現在の膝栗毛茶屋は14カ所
発表会は膝栗毛茶屋の1つであるKAIDO books&coffeeで実施された

そのほか、歩いた距離やカロリーを確認できる運動データ機能を提供。今後は、ユーザー同士での交流を促進する日記機能、著名人などによる音声ガイドといった機能強化を計画している。

建物ではなく、体験コンテンツによる街づくり

発表会では膝栗毛アプリについて、膝栗毛 代表取締役であり三菱地所 新事業創造部 統括の米田大典氏は、三菱地所として新しい建物というハード開発をするだけではなく、様々な体験をコンテンツ化して街づくりを推進するためのものであると説明。

「ハードの開発ができない場所が全国にあり、そういった場所では人の流れが失われ、その地域の文化や風景が失われている。そのように考える中で、地域に新しい何かを作らなくとも、魅力的な文化や歴史、人があると思い、それらを編集して伝わりやすくコンテンツ化することを大事にする、ハードの開発が伴わない街づくり事業に取り組む」と述べた。

膝栗毛 代表取締役(三菱地所 新事業創造部 統括) 米田大典(だいすけ)氏

またコロナ下において、健康志向やオープンエアのアクティビティが求められていると同時に、遠方や海外に行けないという状況にも言及。「国内に目が向いているというのは地域にとってはチャンスであり、そういった中で地域の魅力を伝えていく」とした。

膝栗毛アプリで目指すところは、数カ月後の旅行計画ではなく「今週末の暇つぶし」であり、オーロラや富士山頂上のような大感動ではなく「今まで通り過ぎていた街や道の楽しみや喜びの再発見」。さらに、旅をすることで人や文化と触れ合うことによる「地元のような町」の感覚を生むことを目的とする。

また、多くの情報は検索でも見つけることができ、宿泊施設などにもパンフレットが置かれているが、それらの情報は多すぎるという問題があると指摘。そこで膝栗毛では「ちゃんと情報を編集して、これさえ見ておけば大丈夫というものを用意したい」と意気込みを語った。

数値目標は、2年後のダウンロード数2万、3年後に30万、10年後に150万。あわせて、自治体や企業に対するシステム提供やコンテンツ制作、コンサルティング料、広告料によるマネタイズモデルを見込む。

JTBコミュニケーションデザインは、官公庁や地方自治体を網羅した営業力やリレーション、地域活性のノウハウといった、旅や観光への知見を活かし、協力する。

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