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ローソンが「冷凍食品」を徹底強化する理由。ラーメン・馬刺し・ベーカリー

ローソンは、全国のローソン店舗で冷凍食品メニューを拡大し、11月30日から順次展開する。解凍せずに食べられる冷凍デザートや、容器ごとレンジで温めて皿への取り分けが不要な米飯やラーメン、健康志向の冷凍ベーカリー、切り分け不要な刺身や馬刺しなど計12品を発売する。価格は248円~798円。なおローソンストア100は対象外。

冷凍デザートは、4種のマカロン(430円)と、フォンダンショコラ 2個入り(399円)、冷凍ベーカリーは、ブランのイングリッシュマフィン2個入り(278円)、ブランのクロワッサン2個入り(248円)。

冷凍弁当・ラーメンは、6種具材の中華丼(399円)、旨辛!麻婆豆腐丼(399円)、淡麗醤油らぁ麺(399円)、濃厚鶏白湯らぁ麺(399円)など。畜産系は、鮮馬刺し赤身スライス(798円)、牛ユッケ風(798円)、水産系は真鯛お刺身(498円)、カンパチお刺身(498円)。

従来からローソンは、素材や惣菜や、コンビニらしい即食型の商品などの冷凍食品を展開してきたが、新型コロナウイルスによる外出自粛の影響により、1度の買い物でまとめて購入するシーンが増加。長期間保存ができる冷凍食品のニーズが高まりを受けて、ローソンの2020年度の冷凍食品の売上高は、'19年度に対し約2割伸長した。

さらに、2021年度は約800店舗の売り場の大幅な変更を実施し、冷凍食品の陳列商品数も約60品から約110品まで拡大。店舗改装を実施した店舗では約5~10%の売上改善となっているという。

ローソンでは、リモートワークやまとめ買い、EC・デリバリー拡大など、「コロナ下で定着したライフスタイルは今後も継続する」とし、冷食、まちかど厨房、スイーツ、日配惣菜などを強化。冷凍食品を中心とした店舗改装は2021年度中に約5,000店舗まで拡大し、冷凍食品の売り場は'20年度の2倍、2025年度の売上高は5倍まで拡大していく。

今回の冷凍食品メニューの拡大は、「商品」改革の一環。冷凍食品は、米飯・麺、素材、惣菜、デザートなどあらゆるカテゴリーに拡大しており、容器ごと温めてすぐに食べられる「即食」ニーズへの対応などを行なってきた。さらに、健康や簡便個食、安心・安全などの新たな冷凍ニーズに対応し、冷凍食品の拡大を図る。

ローソンは「冷凍とできたて」。廃棄ロス削減も冷凍

ローソン竹増貞信社長は、お店での調理を行なう「まちかど厨房」とともに冷凍食品への取り組みを強調し、「冷凍食品とまちかど厨房に取り組むことが食品ロスの解消につながると考えている。お店や家庭からでる廃棄物を減らしていきたい。これは、まちかど厨房も持っているローソンにしか出来ないことだ」と説明し、廃棄ロスの削減も冷凍推進の目的の一つとする。

ローソン竹増貞信社長

廃棄ロスの削減に向け、消費期限が迫った商品へのPontaポイントの付与実験などを行なっており、こうした取り組みを強化していく考え。「売り切り予測という言葉は昔からあり、ローソンでも10年前から取り組んでいる。ただし、100%は当たらない。であれば、出口をデータ・AIを使って値引き販売などで『売り切っていこう』と考えている。例えば、15時にシーチキンマヨネーズおにぎりが50個補充されたが、ゲリラ豪雨で来客が減って売れ残ってしまう。その際にAIが『20円値引きしますか?』とお知らせし、逸失利益と廃棄ロスが少ないものを店舗が選べるようにする。商品にシールを貼るだけでなく、店外にもアプリなどで値引きを伝えられる。これを2023年を目処に全店舗で展開する」とした。

冷凍技術の進歩にあわせて、商品開発も強化。「ローソンケーキ屋だよね。スイーツ屋だよね、と言われるように商品を開発し、『友達の家に行く前にローソン』にしていきたい。将来的には、おにぎりなどの即食ニーズのほかは、『できたて(まちかど厨房)と冷凍しかない』ぐらいまで持っていきたい。冷凍とできたてに舵を切ることが、食品ロス削減と美味しさにつながる」と強調した。