ニュース

フードデリバリーで“ついでにコンビニ”。DoorDash、北海道進出も

飲食店とコンビニへの注文を1回の配送で届ける「ダブルダッシュ」を開始

デリバリーの「DoorDash」(ドアダッシュ)を展開するDoorDash Technologies Japanは、北海道への進出や、ローソンと提携した新サービスを発表した。

DoorDashは、新たに北海道に進出、札幌市でサービスを開始する。地元の人気店や全国チェーンの店舗が加盟、DoorDashのアプリやWebサイトからフードデリバリーを注文できる。

札幌市が追加されたことで、すでにサービスを展開している宮城県、埼玉県、岡山県と合わせて、46都市でDoorDashのサービスが展開されることになる。

1回の注文で2店舗からピックアップ、DoubleDash

同社はまた、2店舗からの配送を1回のオーダーで注文できる「DoubleDash」(ダブルダッシュ)を12月2日から開始する。ダブルダッシュ初対応としてDoorDashに加盟するのは、コンビニのローソン。DoorDashでコンビニの商品を取り扱うのも初めてになる。

例えば、飲食店のフードデリバリーを注文した際に、好みのドリンクやお菓子をローソンにも注文、1人の配達員に1回の配送料で届けてもらう、といったことが可能になる。

ダブルダッシュは、サービス開始当初は宮城県内のローソン15店舗のほか、近隣のダブルダッシュ加盟店で利用できる。対象店舗は順次拡大される予定。

アルコール、コカ・コーラセット割引

新たに12月上旬からはアルコール類の配達にも対応。DoorDashのサービス対象エリアのローソンや仙台市の酒店など一部の加盟店では、アルコール飲料の取り扱いが開始される。

また日本コカ・コーラとのコラボ企画も実施。11月26日~12月9日の期間限定で、対象のレストランに用意されるコカ・コーラの製品を含むセットメニューで割引が実施される。

地域重視、半年で人口1,100万人をカバー

DoorDashは米国発のサービスで、日本進出から半年で北海道と3県、46都市で展開。人口カバーは1,100万人としている。各県では最大都市以外の街もカバーしているのが特徴といい、「地域経済に貢献するのがミッションであり、想い。必ずしも大都市でなくても積極的に参入する」(DoorDash Technologies Japan 代表 兼 カントリーマネージャーの山本竜馬氏)という方針。

DoorDash Technologies Japan 代表 兼 カントリーマネージャーの山本竜馬氏

コロナ禍で一気に拡大したフードデリバリーサービスだが、飲食店側からみると、緊急事態宣言が明けても注文はあまり衰えず、根付き始めているという感触があるという。また最近の注文で人気の傾向はセットメニューで、サラダや飲料などを含めて、“完結した食事”として注文したいというニーズが高まっているとのこと。ローソンと提携したダブルダッシュやコカ・コーラとの取り組みは、こうした好みのセットを求める声に応えるものとしている。

なおダブルダッシュは、当面は飲食店+ローソン(コンビニ)という組み合わせになる見込み。1回の配送で複数の飲食店からフードをピックアップするという形については、冷めてしまう問題や配送距離などの問題から、慎重に進めていく方針で、そうした配送品質を担保できる目処がたてば導入するとしている。

このほか、フードデリバリーはすでに過当競争になっているのではないかという懸念に対して、外食・中食・内食などの産業は数十兆円規模であり、大きく見積もっても8,000億円規模というフードデリバリー業界はまだまだ小さいという認識。「一度使っただけの人、月に1回程度の人はたくさんいる。市場は現在も拡大している最中」(山本氏)とし、大きな伸びしろがあるとの認識を示している。

米国DoorDashが同業のWoltを買収する件については「エキサイティングなニュース」(山本氏)とする一方、基本合意の段階で正式承認前のため、具体的なプランは応えられないとした。