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米デリバリー最大手「DoorDash」が日本上陸。仙台でスタート

米国最大手のデリバリー・プラットフォーム事業者DoorDash(ドアダッシュ)は9日、仙台市を皮切りに日本で正式にサービスを開始すると発表した。米国以外でのサービス展開はカナダ、オーストラリアに続き、日本が3カ国目。アジアでの展開は初となる。

6月9日からサービス開始し、配達エリアは仙台市全域。営業時間は10時から24時。加盟店は、「牛角」「かっぱ寿司」「吉野家」「ケンタッキーフライドチキン」「ピザハット」「ガスト」「むさしの森珈琲」「丸亀製麺」「ステーキ宮」「フロプレステージュ パリ」などの全国チェーン店と、「オステリアハミングバード」「びすとろぼんてん」「DUCCA」「牛たん炭焼利久」「うまい鮨勘」「焼肉レストランひがしやま」「ラーメンビリー」など地元の人気店など。

DoorDashアプリ上でテイクアウトやデリバリーの注文が可能。指定場所へDasher(配達員)による配達を依頼する、商品の準備が出来次第受け取りに行くなどを選択できる。

DoorDashの特徴となるのが、加盟店が自社のアプリやウェブサイトに導入できる注文・デリバリーシステム「Storefront」(ストアフロント)。加盟店が自社のウェブサイトにStorefrontの機能を追加し、オンライン注文をシームレスに導入できるようになる。Storefrontの国内導入にあたり、2021年末まで手数料を無料化し、決済手数料のみでシステムを利用可能となる。

Storefrontを活用することで、店舗の規模や自社アプリ・ウェブサイトの仕様に関わらず、簡単にオンラインでの注文受付を開始でき、新たな販売チャネルを展開できる。また、注文履歴管理をデジタル化し、効果的なマーケティング活動に役立てられるという。

DoorDashでは、地域経済の活性化と、Dasher(配達員)の収益機会の創出に力を入れていく方針。その最初の取り組みとして、配達時の安全装備、労働災害保険、宮城県警察との協力による安全教育の実施などを、Dasherに提供していく。

また、サービス開始を記念したキャンペーンも実施。アプリ登録時から30日間は配送料無料とするほか、最初の2回までの注文は、1回あたりの注文総額から25%オフ(最大割引額1,000円)とする。

仙台からのスタートは「都会と郊外のバランス」

DoorDash Japanの代表 兼 カントリーマネージャーの山本竜馬氏は、仙台からのスタートとなる理由について、「人口が100万以上の大きな都市で、十分な市場規模がある。また、いいバランスで都会と郊外のバランスをもっている」と説明。また、他の地域に比べてデリバリーの利用率が低いことから、事業機会があると考えたという。

DoorDash Japan 代表 兼 カントリーマネージャーの山本竜馬氏

現在は主に都市部で浸透しているデリバリーだが、今後郊外型のサービス強化が求められると予測。そのため、両方のバランスを持つ仙台で日本における事業可能性を検証していく。現在の店舗数や今後の目標は非公開。

仙台以外の地域への事業展開については、「まずは仙台できっちりやって、何が必要か、米国のコピー&ペーストでは何がダメなのかを見ていく。加盟店ともしっかり話し、消費者や配達員の声にも耳を傾けながらやっていく」と説明した。

デリバリーの日本市場参入としては最後発となるが、「後発ならではの強みはある。これまで起きた問題などを把握し、対策をとった上で参入する。Day1から宮城県警から協力体制を敷くのもその一環で、他社で起きた問題が起きないように最善を尽くす」とした。