いつモノコト
LightningのiPhoneを使い続けたい 保護ケース「iPh0n3」を数カ月使ってわかったこと
2026年2月11日 09:15
iPhoneのコネクタがLightningからUSB Type-Cに変更になって早くも3年。すでに身の回りのポートはiPhoneも含めてUSB Type-Cに統一し終えたという人もいる一方、やむを得ない事情でLightning搭載のiPhoneを使い続けている人もいるでしょう。
例えばiPhone 13 miniのように、後継機種が存在しない場合などがそれです。
こうした人にオススメなのが、LightningからUSB Type-Cへの変換機能を備えたスイス発の保護ケース「iPh0n3」です。iPhoneをセットするだけでUSB Type-Cへと早変わりする画期的なこの製品、「iPhone 13 mini」用と「iPhone 14 Pro Max」用の2つを購入し、数カ月にわたって試用したので、その使い勝手を紹介します。
USB Type-Cポートを端に配置しケースの大型化を防止
単にLightningをUSB Type-Cに変換するだけならば変換ケーブル1本あれば事足りますが、毎回取り付けたり外したりするのは手間もかかるほか、なにより不格好です。本製品はLightningをUSB Type-Cに変換する機構をケース本体に内蔵しており、装着した状態ではLightning仕様であることをまったく感じさせずに扱うことができます。
特徴的なのはポートの配置です。本製品はiPhoneの隅の丸くなった部分にUSB Type-Cポートを縦向きに配置することで、ケースの全長や幅にほとんど影響を与えることなく、ポートを実装することに成功しています。保護ケースの全長を伸ばしたり、余計な出っ張りを持たせたりといった安直な設計ではないところに、こだわりが感じられます。
またケースそのものの構造もユニークです。本製品はiPhone本体を上からスロットインさせる構造を採用しており、上蓋に相当するパーツを半回転させて取り付けるジョイントにより、外部からの衝撃に強く、取り外しも容易という画期的な仕組みを実現しています。これひとつで実用新案が取れるのではないかと思えるほどです。
もっとも本製品は3Dプリンターで出力された個人制作のプロダクトで、素材は3Dプリンタではおなじみのナイロン12ということもあって表面はザラザラで、手触りの好き嫌いはユーザによってかなり分かれると考えられます。焼けたような跡がつきやすいのもマイナスです。これについては後述します。
MagSafeの磁力強化やSIMトレイ、ストラップホールなど付加価値も多数
付加価値についても見ていきましょう。背面にはMagSafe準拠のマグネットが仕込まれており、標準状態でのiPhoneよりも強力に、MagSafeアクセサリを吸着できます。ベルトなどMagSafeアクセサリを使用している場合は、より脱落しにくくなることが期待されます。
さらにケース内側には予備のSIMカードをはめ込むためのスロットが用意されており、旅行先などで交換して使う用途にも対応します。また本体左下にはオプションのストラップ取付フックを通す穴が空いており、ストラップを取り付けられます。こうしたカユいところに手が届く機能も特徴の一つと言えます。
Lightning→USB Type-C化でできることに変化はある?
さてLightningをUSB Type-Cに置き換えたことで、機能面ではどのような変化があるのでしょうか。まず充電については、一切問題なく行なえ、さらにUSB PDによる急速充電にも対応します。USB Type-C化の恩恵をもっとも享受できる機能と言っていいでしょう。
続いてデータの転送。PCとケーブルで接続し、iTunesを用いてのバックアップ操作は特に問題なく、比べた限りでは挙動も同一です。ただし同じデータ転送でも、電源供給が必要な外部ストレージ類は認識しません。これが現行のiPhone 17 Pro Maxであれば、USB Type-CポートにUSBメモリやストレージを接続すると、ファイルアプリで中身が見られますが、本製品は無反応です。
また外部ディスプレイへの映像出力も非対応です。もともとLightningからのディスプレイ出力は「Lightning - Digital AV アダプタ」などのオプションが必要であり、ポートがUSB Type-Cに置き換わったことで、いきなりそれ抜きで映像出力が可能になることはありません。このように、USB Type-Cになったからといって、これまでできなかったことがいきなりできるようになったりはしませんので、過度な期待は禁物です。
ちなみに本製品は、AppleによるMFi認証は取得していません。Lightning搭載のデバイスはAppleにとっても古い製品であり、今後のソフトウェアアップデートでわざわざ仕様を変えてくる可能性は低そうですが、将来的に利用できなくなる可能性はゼロではありません。このあたりはユーザの自己責任ということになるでしょう。
実はこの製品、個人の開発者が独自設計の基板をもとに設計したほぼ自作のプロダクトです。この開発者は過去にもLightning仕様のAirPodsをUSB Type-Cに変換するケースを製品化したり、また本製品の前には、Lightning仕様のiPhoneを分解してボディ内にUSB Type-Cポートを内蔵させる大技にも成功しているとあって、そのノウハウはかなりのもの。詳しくは動画を参照してほしいのですが、一定の信頼はおけると筆者は見ています。
機種変更ができない人にとってはまたとない品 ネックは手触り?
以上ざっと見てきましたが、直接的な後継モデルがない、アプリの制約などで機種変更ができないなど、LightningポートのiPhoneを使い続けなければいけない人にとっては、実に重宝する製品です。単にポート形状を変換するだけでなく、カユいところに手が届く機能も豊富で、保護ケースとしても高く評価できます。筆者はiPhone 13 miniがメイン機ゆえ、日々なくてはならない品として重宝しています。
一方でマイナス要因となるのは、ケース本体の素材でしょう。3Dプリンタ製で表面がザラザラというのは、見た目や手触りを優先した市販の保護ケースに慣れた人には、やや違和感はあるはずです。発売当初予告されていたカラーバリエーションも現時点ではリリースされておらず、グレー一色という地味さも気になるところ。筆者は機能性優先で馴染めましたが、ユーザによって評価が分かれるとすればここなのかなという気がします。
そんな本製品の実売価格は、49.90スイスフランに送料を足して、56.45スイスフラン。日本円に換算すると1万円ちょっとです。基板も含めていちからスクラッチし、個人で量産していることを考えると相当に安価で、きちんと利益が出ているか心配になるほどです。市販のケースと比べると高価ですが、本製品はiPhoneを買い替えずに延命させる製品ということで、この価格がネックになることは考えにくそうです。
なお購入にあたって気をつけたいのは、品切れが多いこと。前述のようにほぼ個人制作のプロダクトでありながら、開発者はYouTubeを通じて国際的に知名度があり、売れる下地が整っていることに加えて、今回の製品はiPhoneのモデル別に20種類ものラインナップが用意されているためか、個々のロット数が少なく、迷っているとすぐに売り切れてしまいます。
もっとも品切れから入荷までのスパンはそれほど長くはなく、こまめにチェックさえしていれば、入手は決して困難ではありません。筆者からできるアドバイスはただひとつ、注文ページを見て、手持ちのiPhoneに対応する在庫があれば、即注文すべしということです。Lightning搭載iPhoneをどうしても買い替えられない事情があり、もう少し延命させたいと考えている人に、お勧めしたいアイテムです。
























