ニュース

カシオ×アシックス、”歩きの質”を高めるウォーキングアプリ「Walkmetrix」

カシオとアシックスは、共同で開発したウォーキング向けパーソナルコーチングアプリ「Walkmetrix」を、10月1日に提供開始した。ウォーキングのプログラム作成や記録・管理、歩行タイプの確認などができるほか、10月15日発売のG-SHOCK「GSR-H1000AST」とあわせて使うことで、ウォーキング時の心拍数記録・確認もできる。アプリは無料、GSR-H1000ASTは44,000円。

カシオとアシックスは1月に、ランナー向けパーソナルコーチングアプリ「Runmetrix」を提供開始しており、カシオは連携するG-SHOCK「GSR-H1000AS」を、ランニングフォーム解析に利用するモーションセンサー「CMT-S20R-AS」とセットで販売している。今回発売するGSR-H1000ASTは、GSR-H1000ASに新機能を追加したモデルで、従来モデルでもファームウェアのアップデートにより、歩数計測表示などウォーキング関連機能が追加される。

なお、GSR-H1000ASは単体での販売はしていなかったが、GSR-H1000ASTは単体で販売する。また、Runmetrixではモーションセンサーを使うことでフォーム解析などを含めた全データを確認できたが、Walkmetrixではモーションセンサーとの連携することなく、データを確認できる。また今後Walkmetrixでも、モーションセンサーとの連携により、歩く姿勢を可視化し、目的に応じた正しい姿勢で歩けるようにサポートする予定。

(左から)Walkmetrix、GSR-H1000AST、GSR-H1000AS、CMT-S20R-AS

ウォーキングとランニングは速度によりエネルギー消費量が同等

Walkmetrix開発の背景には、アシックスが推奨する「ファストウォーク」というウォーキングがある。

ファストウォークとは、時速5~7kmを目安にした、普段より早く歩くことを意識したウォーキング。ウォーキングにはランニングと比較して、特に普段運動をしてこなかった人にとって、始めやすい、続けやすい、故障リスクが低いといったメリットがあるが、速度帯によってはランニングより運動効果が高いことが分かったという。

出典:アシックス

アシックスと立命館大学の共同研究により、ウォーキングでは速度増加に伴い、エネルギー消費量が急激に増加し、時速7~8kmではウォーキングとランニングは同程度のエネルギー消費量となるという結果が得られた。

出典:アシックス

筋活動量についても比較を行なっており、ファストウォーキングには血流促進やつまずきにくい歩き方の習得が期待できるとしている。

出典:アシックス

もちろんランニングにも優れた部分があり、アシックスでは運動習慣と走る十分な体力がつけば、ランニングを推奨している。

このようなメリットがあるファストウォーキングを提案するとともに、歩数のみならず、歩きを分析してアドバイスを行なうことで歩行の質を向上させるアプリとして開発したのが、Walkmetrixとなる。

Walkmetrixでは計測中も計測後もアドバイスしてくれる

Walkmetrixの主な機能は、「プログラム機能」、「アクティビティ機能」、「ライフログ機能」の3つ。

プログラム機能では、目的に合わせた運動プログラムを作成できる。目的は「体力向上」、「ダイエット」、「リフレッシュ」の3つから選べる。この中で体力向上が最も負荷が高いメニューとなる、というものではなく、年齢、性別のほか、普段の歩行速度や意気込みなどの選択により、目的に加えて、個々の体力レベルにあわせたプログラムを作成してくれる。

プログラム機能設定時には「意気込み」(頑張る/標準/優しめ)も聞かれる

作成されるプログラムは、目標とする速度、歩幅、1回あたりの実施時間。プログラム設定後は、回数、距離、最高スコアといったプログラム実績や「ビギナー」などの現在のランク、当週1週間で実施するプログラムの内容、実行中のステージのクリア条件、現在のステージが確認できる。

アクティビティ機能では、歩行タイプ、目標別にウォーキングを計測できる。歩行タイプには「ファストウォーク」、「インターバルウォーク」、「ノーマルウォーク」の3つがあり、任意で選んで計測を開始。計測中、つまり歩いている間は、リアルタイムの歩行時間、距離、消費カロリー、スピードや歩幅が表示される。なお、事前にアプリに身長、体重、性別などのパーソナルデータを登録し、歩幅はこれらのデータおよび速度から計測する。

今回、実際にWalkmetrixの計測を体験する機会があり、インターバルウォークにて計測した。

画面上部に「プログラム未作成」とあるが、プログラム作成済みの場合は1週間のプログラムの目標内容が表示される

インターバルウォークとはアシックスが推奨するウォーキング方法の1つで、ファストウォーキングを長く効果的に続けるために、ファストウォークとゆっくり歩きを交互に行なうというもの。ゆっくり歩き2分、ファストウォーク3分の繰り返しを目安としている。

出典:アシックス

インターバルウォークでの計測中には、画面表示およびバイブ、音声により、速歩と緩歩の切り替えのタイミングを教えてくれる。また、ファストウォーク時には「いい調子です!」、「歩幅が狭くなりました」など、速度や歩幅に関して叱咤激励してくれる。

速歩と緩歩の切り替え
叱咤激励

ウォーキング終了後は、アクティビティ計測結果が確認できる。確認できる内容は、アクティブ歩数・通常歩数・距離・カロリーなどの基本情報、歩行速度と歩幅をもとに評価したアクティブ評価スコア、同年代比較とアドバイス。スコアの部分では、歩行タイプがアニメーションで表示される。

アクティビティ計測結果

GSR-H1000ASTとの連携で心拍計測

GSR-H1000ASTとWalkmetrixを連携して使用することで、スタート/ストップがウォッチ操作でできるほか、心拍計測も可能となり、計測結果で持久力スコアや心拍グラフ、心拍ゾーンを確認できる。

GSR-H1000ASTと連携して使用すると、計測結果で心拍グラフなどが確認できる

また、スマホを持つことなくウォッチ単体で計測が可能。アクティビティ中にスマホを見ることなく安全に実施できるとしている。

従来モデルと比べてGSR-H1000ASTに追加された機能は、歩数計測表示(加速度センサー)、アクティビティ計測(ウォーキング/ランニング)、時間通知機能(インターバル計測タイマー)。カラーは新色としてブラックを発売し、従来モデルから引き継ぐブルーとの2色で展開する。

そのほか基本スペック・機能は、耐衝撃構造/20気圧防水、心拍計測表示(光学式センサー)、ワールドタイム表示(世界38都市)、ペースガイド機能、アクティビティ計測データ履歴表示、スマートフォンの通知表示、GPS(GPS/GLONASS/みちびき)など。

サイズは55×63×21.5mm(幅×高さ×奥行)、重量は99g。バッテリー寿命は時刻モードで約5カ月(歩数計測、通知機能含む)、時刻モード+心拍計測で約55時間(心拍計測スリープ状態の節電状態を含む)、計測モード(ランニング/ウォーキング)+心拍計測で約14時間。

カシオとアシックスは、今後も健康関連企業との共創を進め、WalkmetrixとRunmetrixに続き、睡眠計測やヘルスケアなどの新しいサービスを順次拡大する。