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DNP、スマホを鍵として使えるデジタルキープラットフォーム

大日本印刷と東海理化は、スマートフォンにデジタルキーをダウンロードし、鍵の施錠・解錠を行なえるデジタルキープラットフォームの提供を、2月24日に共同で開始する。

自動車などのモビリティ分野や、小売・流通業、住宅業界などの分野を対象に、デジタルキーの配信・管理を行なうプラットフォーム。カーシェアや、家のドアの開閉、ロッカー等での荷物の受け渡しなどのサービスを、スマートフォン1台で利用できるようになる。

プラットフォームは、デジタルキーを配信・管理する「FREEKEY Server(フリーキー サーバー)」と、複数のデジタルキー方式を統合する「FREEKEY Platform(フリーキー プラットフォーム)」で構成。

必要な時にスマートフォンアプリを通じてデジタルキーをダウンロードして、自動車や家などあらゆるものの鍵として利用可能。有効期限の設定も可能で、シェアリングサービスの一時的な鍵としても利用できる。

ICカード等で培ったセキュリティ技術を採用したDNPのIoSTプラットフォームにより、サイバー攻撃に対してスマートフォン内のデジタルキーのデータを保護。特にモビリティ分野における車両盗難やサービスの不正利用を防止するとしている。

また、東海理化の自動車部品で培った電波制御等のハードウェア技術とデジタルキー配信ロジック等のソフトウェア技術を活かし、デジタルキー対応の電子錠デバイスまで含めた提供も行なう。

想定するビジネスモデル例として、個人間カーシェア、宅配ロッカーを挙げる。

個人間カーシェアは、自動車などのシェアリング事業者へのシステム提供による、モビリティ分野のデジタルキー活用例。自動車のオーナーとユーザーが日時を合わせることなく、非対面で鍵の受け渡しができる。

宅配ロッカーは、物流サービス事業者、住宅デベロッパー、観光・サービス事業者などへのシステム提供による、モビリティ以外の分野のデジタルキー活用例。宅配ロッカーをスマートフォンで開閉できるようにすることで、個人向けの荷物の非対面受取に対応する。また、デジタルキーにより安全な置き配を可能にするとしている。

今後、様々な業界に向けてデジタルキー関連サービスを提供するとともに、2023年度には、業界横断の団体「Car Connectivity Consortium(CCC)」が策定する次世代のグローバル標準仕様に対応した「FREEKEY Server generation 2」の開発・提供を予定。両社で2025年度に50億円、2028年度に100億円の売上を目指す。

また、認証や決済、パーソナルデータの連動など、将来のスマートシティを支えるサービスで共通に利用できる基本機能を揃えた、総合的なプラットフォームの構築も推進する。

CCCとは、スマートフォンから自動車への接続ソリューション向けの技術開発等を推進する業界横断的な組織。自動車関連企業のほか、スマートフォンメーカー、セキュリティ事業者など、世界で128社(2月18日現在)が加盟している。

デジタルキー スマートフォン一つで様々な鍵を利用できるサービス