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消費者庁、「Switch」「PS5」偽販売サイトについて注意喚起

消費者庁は、家庭用テレビゲーム機「Nintendo Switch」の販売を装う偽の通信販売サイトについて注意喚起を行なった。Nintendo Switch購入者をターゲットとするリスティング広告によりユーザーを誘引し、商品がないのにもかかわらず金銭を振り込ませる。

8月以降、代金を払ったものの商品が届かないという相談が消費者庁に寄せられたことから調査したところ、下記の偽の通信販売サイトを運営する事業者が、消費者の利益を不当に害するおそれがある行為(消費者を欺く行為・債務の履行拒否)を行なっていることを確認したという。

・OTOKU:8月上旬~中旬
・TAKUMI:8月中旬~9月上旬
・Gaming:9月中旬~下旬
・SELECT STORE:10月上旬~中旬
・E STORES:10月中旬~下旬
・SMART STORE:11月上旬~中旬
・FIRST:11月中旬~12月上旬
・PLUS:12月上旬~

いずれのサイトもNintendo Switchのほか、パソコン、スマートフォン、カメラ、家電製品を販売しているように装いながら、特にNintendo Switchの特集ページをサイト内に設けて消費者を誘引。外見は普通の通信販売サイトのようで、不自然な日本語表記もなく、一見では偽サイトと判断しにくいという。

各サイトには「利用規約」のページもあり、それぞれ別の事業者情報が掲載されているが、これらの情報はすべて虚偽であり、代表者の氏名やサイト運営責任者の氏名、電話番号などの記載が無く、運営者の実態は不明。

これらのサイトは構成が屋号以外ほぼ同一で、サイトを流用していると考えられ、短期間で閉鎖し、すぐに屋号を変更したサイトが公開されていた。URLにも法則性があり「〇〇store.jp」と、〇〇の部分のみを変更している。各偽サイト運営者からの送信メールも文面がほぼ同じであることから、すべて同一の事業者が運営していると考えられるという。

リスティング広告でSwitch購入者を狙い撃ち

偽サイトへの誘引方法は、検索サイトで「スイッチ」などと検索すると表示されるリスティング広告。「スイッチ 本体価格34,900円」などと表示される。同商品はプレミア価格で販売されることが多いことから、偽サイトの検索結果にはメーカー希望小売価格より若干安い価格や、ほぼ同じ価格が表示される。

外観は普通の通販サイトに見えるため、アクセスしてもすぐには偽サイトとの疑いを持ちにくく、Nintendo Switchなどの商品には「残り〇個」などと在庫がわずかであるかのように表示。消費者に「売り切れるかもしれない」という焦燥感を与える。

商品を注文すると代金の振込みを知らせるメールが届くが、振り込み先は個人名義の銀行口座。代金を振り込むと、入金を確認したので翌日に商品を発送するというメールが届き、その後、商品発送のメールも届くが、実際には商品は届かない。メールには宅配便の伝票番号も記載されているが、架空のもの。消費者側から偽サイトの運営者に連絡する手段もなく、偽サイトは約半月ほどで閉鎖されていく。

消費生活センターには、スイッチ以外の商品についての相談はほとんど寄せられていないことから、本件偽サイトの運営者は、リスティング広告などを利用してスイッチの購入を希望する消費者に狙いを絞って詐欺行為を行なっていると見られるという。

偽サイトが振込みに使った口座は確認されただけでも約40件。現在はほとんどの口座が閉鎖されているが、消費者が振り込んだ金額のほとんどは引き出されており残高は僅かだった。

なお、偽サイトのうち「FIRST」「PLUS」については、「PlayStation 5」についても同様の手口で販売しているように見せかけているという。

消費者庁では、これまでの偽の通信販売サイトでの被害状況からすると、代金を前払いで「個人名義」の口座に振り込ませようとする場合には、偽サイトである可能性が高く、そのようなときは代金を振り込まないよう注意喚起を行なっている。